法医(生物科学)分野
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/15 06:34 UTC 版)
「科学捜査研究所」の記事における「法医(生物科学)分野」の解説
犯罪現場に残された血液及び血痕・体液・毛髪・骨・組織など犯罪に関連する多くの資料について鑑定・検査とその実験研究を行う。これらの資料から血清学的な手法による血液型検査や最新の科学力を導入したDNA型鑑定などを行う。 また、実際の犯罪現場でもルミノール反応など様々な検査を行う。たとえば、すでに被疑者が逃亡してしまったあとでも現場に残された痕跡からDNA照合で犯人の割り出しを行う。21世紀に入ってからは、足利事件、飯塚事件にて低い精度(同一のものである率は数百万分の一)の鑑定による杜撰な判定が発覚している。現在では鑑定精度は飛躍的に向上しているため(数億から数兆分の一)、DNA鑑定で冤罪を引き起こす確率は低下している。 主な専門分野は分子生物学・生化学・遺伝子工学・生物工学。 2010年、警察庁は30億円かけ47都道府県の科学捜査研究所に対して最先端水準のDNA型解析ソフトウェア・ジェネティックアナライザー・DNA抽出機器を設置している。 DNA鑑定は平成18年以降、4兆7000億人に1人の割合でしか一致しないところまで精度が向上した。これにより鑑定結果の重要性が増している。さらに、裁判員制度が導入されたことからも、物証の重要性が増している。ここ5年[いつから?]で鑑定委託件数は30倍に増加。各都道府県警察は鑑識課の人員増員を行っている。しかし鑑定人は熟練が必要で、鑑定人育成のためには長い時間がかかる。このためDNA鑑定が追いつかず、鑑定待ちの資料が急増している。 また, 犯罪心理の研究、ポリグラフ等による虚偽検出等の業務を行う。主な専門分野は生理心理学・認知心理学・社会心理学・犯罪心理学・犯罪精神医学・犯罪社会学。
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