水素との反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/03 09:56 UTC 版)
「水素化ウラン(III)」の記事における「水素との反応」の解説
金属ウランを水素雰囲気中に置くと水素脆化を起こす。水素はウランの金属結晶内部に拡散し、結晶粒界を超えて脆い水素化物を生成する。真空中で焼きなましを行うことで水素を除去し、延性を回復させることができる。 金属ウランと水素を250〜300 ℃で反応させると水素化ウランが生成する。さらに500 ℃まで加熱すると水素とウランに分解する。この性質により、水素化ウランは、ウラン炭化物、窒化物、ハロゲン化物と同様に反応性の高いウラン粉末を得る際の出発物質として有用である。この可逆反応は以下の式で表される。 2 U + 3 H 2 ⇄ 2 UH 3 {\displaystyle {\ce {{2U}+{3H2}\ \rightleftarrows \ {2UH3}}}} 水素化ウランは侵入型化合物(金属原子の格子間に非金属原子やイオンが位置する化合物)ではないので、ウランは水素化によって膨張する。結晶格子はウラン原子の周りを6個のウラン原子と12個の水素原子が囲んだ形をしており、水素原子は格子中に大きな四面体状の空間を占めている 。水素化ウラン中の水素密度は水や液体水素とほぼ同じである 。結晶中では水素を介した U-H-U 結合が存在している。
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