日本のサイダー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 09:44 UTC 版)
近年は飲料の多様化、また茶など無糖飲料の人気が高まっていることから、飲料全体の販売量に占めるサイダーの割合は低下傾向にある。日本における各地の小規模製造業者の製造するサイダーは「地サイダー」あるいは「ご当地サイダー」のように呼ばれる。 国内で太平洋戦争以前から全国規模で販売されていた無色透明炭酸飲料製品には、ビールメーカーが製造した三ツ矢サイダー(朝日麦酒←大日本麦酒)、リボンシトロン(サッポロビール←日本麦酒←大日本麦酒)、キリンレモン(麒麟麦酒)の3銘柄があるが、林檎系香味の狭義の「サイダー」は三ツ矢サイダーのみである。後二者は名称が示す通り柑橘系の香味であり、語義矛盾となるので厳密な意味でサイダーではなく、古くは区別されて「シトロン」と呼ばれていたが、現在では「シトロン」の名称は廃れて一般的には「サイダー」とされている。尚、1957年から1967年にかけては上記に加えて宝酒造によるタカラサイダーが販売されていた。 現在は各ビールメーカー(いずれも分社化して清涼飲料水部門は子会社となっている)とも、無色透明炭酸飲料は上記の代表銘柄と、その派生商品のみを製造販売しているが、嘗て1970年代頃までは三ツ矢サイダー(林檎系)に対して三ツ矢レモラ(柑橘系 1967年発売)、リボンシトロン(柑橘系)に対してリボンサイダー(林檎系 1967年発売)、キリンレモン(柑橘系)に対してキリンサイダー(林檎系 1956年発売)と、各社とも「サイダー」の名称は林檎系香味の製品にしか用いておらず、狭義の「サイダー」と「柑橘系透明炭酸飲料」を厳密に区別して販売していた。しかし、後発商品は販売数が伸びずに淘汰され、現在の様に各メーカーとも一本化された。外資系のペプシコーラでも、以前、1970年代には「パティオサイダー」と「ミリンダレモンライム」の2本立てだったが、パティオサイダーは短期間で終売となった。 近年では地サイダーブームに乗じて「牛たんサイダー」「ずんだサイダー」等の果実以外のフレーバー商品が散見されるが、これらは著しい語義矛盾であり、「サイダー」の名称を用いずに炭酸入り清涼飲料の総称である「スカッシュ」「ソーダ」等の名を冠した方が適切である。[独自研究?] 外資系飲料で国内生産された透明炭酸飲料には他に「セブンアップ」、「バブルアップ」、「スプライト」等がある。これらはいずれも柑橘系香味であり「サイダー」の名称は使用していない。
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