日本における廃校の状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 23:08 UTC 版)
第二次世界大戦後の廃校の発生理由としては、以下のようなものが指摘されてきた。 戦災による施設の喪失と就学人口の減少(広島市など) 「昭和の大合併」による統合市町村における統合施策 過疎地域における就学人口の減少 危険施設の改築と学校統廃合時の新校舎建設との間に補助金の額に差があったこと ドーナツ化現象による都心部での就学人口の減少 一方、20世紀末ごろからは、少子化によって就学人口が全国的に減少しており、廃校の発生も増加している。これまで就学人口の急増と施設の不足が問題となっていた大都市圏の郊外においても、急激な人口構成の変化(高齢化)が起こりやすい住宅団地を中心に、局地的な就学人口の減少と廃校の発生がみられる。 1983年以降の第二次ベビーブーム世代の受験者増加に対応して、進学率を抑制することなく軒並み増設された高等学校(広義的には高等専門学校も含む)でも、生徒数(高等専門学校の場合は学生数)の減少により、志願生徒数が減少した高等学校廃校の対象になっている。 公立学校の場合、その学校に充てる設備、一部の教員など、様々な面で学校に掛かる費用は市区町村の税金によって賄われる。しかし、学校の子供の人数が減少し、今後も増加の見込みがなくなると、空き教室が大量にある学校は、それだけでも行政側の大きな負担となる。そこで学校を閉鎖し、近くの学校と統合することにより、そこに必要な教員の数も減らすことができ、行政の負担が軽減する。しかし、学校は地域にとって愛着のあるものでもあり、廃校するに当たって、地域で様々な議論がなされるのが常である。 私立学校においては、学校の運営資金は、入学金や授業料など、園児・児童・生徒の負担によって賄われている。したがって、子供の数の減少は学校運営に深刻な影響を与え、学校法人の運営が正常に行えなくなり、ついには倒産し、廃校(廃園)となる。その学校の園児・児童・生徒・学生や、教職員は転校(転園)・転職を余儀なくされる。特に教職員の場合は倒産・廃校(廃園)が即失業に繋がるため、深刻な問題である。 廃校(廃園)跡は、学校施設を改装し新たな施設として再利用されることもあるが、活用できずにそのまま放置され廃墟状態になっているものもある。廃墟と化した学校跡地は治安の悪化を招くこともあり、これも問題となっている。2003年4月に文部科学省の廃校施設の実態及び有効活用状況等調査委員会が、廃校利用の模範的なケース50件を選定し発表した。
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