料理方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 15:05 UTC 版)
サバヒーは、台湾(特に中南部)やフィリピン、インドネシアなどの東南アジア諸国ではポピュラーな大衆魚であり、料理方法も国によってさまざまなバリエーションがある。身は淡泊だがぱさぱさしており、小骨が多いといった特徴があるため、台湾では一般にサバヒー粥(虱目魚粥)やサバヒーの肉団子入りスープ(虱目魚丸)などの料理方法で供されることが多い。中でも台南地区のサバヒー粥は特に有名である。 サバヒー粥は、頭を取り小骨を抜いたサバヒーの身または細かく切った切り身を煮込んだものを白飯にのせ、これに煎った小粒のカキと各種薬味(生姜や葱など)とを一緒に煮込んだとろみのあるスープをかけ、刻み葱や海苔を散らして粥として食べるものである(ただし店によってサバヒー以外の具の内容や調理方法は若干異なるようである。身をまるごと使ったものを「虱目魚肚粥」、切り身を使ったものを「虱目魚粥」と呼ぶ)。また、これに油条(中国風の細長い揚げパン)を浸して食べる方法も広く取られている。煮込んだサバヒーの身は、ちょうど脂の乗ったサバを煮込んだような食感であり、味は淡白で日本人の口にも合う。 サバヒーの身は傷みやすいため、通常は市場で買い付けたものをなるべく早く新鮮なうちに調理して食べてしまう。一般には朝食の材料として食べられることが多いようである。台南や高雄などには多くのサバヒー粥専門店がいくつもあり、出勤途上にバイクで粥屋に乗りつけた人々が粥をすする姿は台湾南部の朝の風物詩にもなっている。名店は、 台南蔡虱目魚専賣(台南市、この店は数少ない24時間営業のサバヒー粥専門店で、市内に5店舗ほどのチェーン店がある) 阿憨鹹粥(同、地元では名店) 老蔡小吃部(高雄市) 府城虱目魚(高雄市) また、工業的には缶詰や田麩等にも加工されており、台湾ではトマト煮の缶詰がよく売られている。台南には身を練り込んだアイスキャンディーを売っている店がある。 フィリピンでは、サバヒーの腹に香草を詰めて焼く香草焼き、煮物(ココナッツミルク煮やシニガンなど)、揚げ物、燻製、春巻き(ルンピア)などにされる。
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