成文化されていない制限項目: 体力の限界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/12/02 07:13 UTC 版)
「フリーフライト (模型航空)」の記事における「成文化されていない制限項目: 体力の限界」の解説
ゴム動力機の場合、動力ゴムを選手が腕力で巻き込まなければならないから、使用する動力ゴムの量に対して体力的な限界に起因する上限が存在する。 歴史的に見ると、動力ゴムの重量の上限は150gくらいである。現在の動力ゴムが蓄積するエネルギーは1gに付き1kg-mであるから、これを巻き込む仕事量は150kg-mになる。 動力ゴムのワインダーにはハンド・ドリルが使われ、右手でクランクを廻すことによって巻き込んだから、機械式のジャッキで自動車を持ち上げる作業に類似し、150g-mの仕事量はトラックのタイヤ交換にも匹敵する。 オープン・ラバーの競技の場合、1日に数回、上記のゴム巻き作業を行い、加えて、飛んで行った機体を回収するために数kmのクロスカントリー走が必要である。このような肉体的負担の大きい飛行作業は難しく、その半分くらいの動力ゴムが一般的であった。 半世紀前のF1B級の動力ゴムは80gであり、機体の大きさ(F1B級の項を参照)はそれに見合ったものであった。一般的には、オープン・ラバー機の大きさは、制限されなくてもF1B級程度に収斂した。 グライダーやエンジン付き模型飛行機の場合は、機体の大きさの上限を自然的に抑制する要因が無いため、大型化の歯止めが利かず、大型化による弊害が生じたので、比較的に早期に大きさの制限(全重量、翼面積、翼幅など)が加えられた。 機体の大きさの拡大に対する歯止めを内蔵していたため、オープン・ラバー種目は長寿であり、数年前までイギリスの国内級に存続していた。存続の積極的な理由としは、設計上の自由度の大きさがある。オープン・ラバーは、ゼロからすべてを決めなければならないと言う作業を要求されるので、模型航空機の設計を学ぶ上で最良の教材であるとされている。
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