おむろごしょ 【御室御所】
御室御所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 13:36 UTC 版)
御室の名の由緒は、醍醐天皇の延喜4年(904年)、宇多法皇が仁和寺に「御室」を造営し、起居する御所としたことから、その建物が「御室御所」と呼ばれ、やがては仁和寺の別称となったものとされている。さらに、仁和寺の住持である門跡の称号としても用いられた。それが仁和寺一帯の地名として定着したものである。仁和寺の住持は宇多法皇の崩御後はしばらくは子孫である宇多源氏が務めていたが、三条天皇の皇子である性信入道親王が入ってから明治維新まで出家した皇族(入道親王もしくは法親王)が務めること門跡寺院となった(摂関家出身の法助を除く)。 ただし、御室が仁和寺の別称として定着したのは院政期であり、10世紀から11世紀には他の有力寺院でも天皇の親族など高貴な出自(貴種)を持つ住持は「御室」と呼ばれていた。例えば、宇多法皇の孫でかつ直弟子でもあった寛朝を別当に迎えた東大寺では寛朝を「御室」と尊称し、続いて別当になった花山天皇の2人の皇子(深観・覚源)も同様に尊称され、更に深観の後任で覚源の前任者であった有慶も参議藤原有国の子ながら寛朝・深観の後継者として特に「御室」の尊称で呼ばれていた例が知られている。
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