強制空冷式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 14:11 UTC 版)
エンジン動力で冷却ファンを常時駆動し、外気をエンジンの冷却フィンに当てることで冷却効率を高める方式。多くの場合、エンジンのシリンダー・ヘッド周囲の冷却フィン周りを導風板(シュラウド)で包み、ここに送風ファンで外気を押し込むか、排気ファンで過熱した空気を吸い出すことで、強制的に冷却する。自然空冷式よりも複雑な構造となるが、エンジン回転中である限り常に強制冷却が行われる長所がある。走行風を期待できず、自然空冷にするともっぱら自然風と対流頼みとなってしまうような、農業動力・携帯発電機その他多種の定置エンジンでもこちらの方式とする。乗り物類でも、エンジンルームの通風があまり良くない場合や、乗用車が一般道を走る場合のように、頻繁に移動が止まるといったような要素が考慮される。かつての多くの自動車や(その後自動車はほぼ全て水冷化された)、現在では原付スクーター等に利用されている。強制空冷の強化によって水冷化が遅かった自動車の例としては、ポルシェ911シリーズなどは車体後部に空冷エンジンを載せ、大きな軸流ファンで強制的に冷却した。また日本国内の1970年代前半以前の軽自動車には、2ストロークの強制空冷式エンジンを載せているモデルが少なくなかったが、これらはスクーター等と同様に、シロッコファンを用いる事例が多かった。
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