左手のための4つの特別な練習曲とは? わかりやすく解説

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レーガー:左手のための4つの特別な練習曲

英語表記/番号出版情報
レーガー:左手のための4つの特別な練習曲4 Spezialstudien für die linke Hand作曲年1901?年 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 スケルツォ ScherzoNo Data No Image
2 ユモレスク  HumoreskeNo Data No Image
3 ロマンス RomanzeNo Data No Image
4 前奏曲とフーガ Präludium und FugeNo Data No Image

作品解説

2007年5月 執筆者: 石川 伸幸

 マックス・レーガー(1873-1916)はドイツ生まれ作曲家20世紀初頭のドイツ音楽史代表する作曲家一人同国同時代にはリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)がいて、オペラ交響詩などのいわゆる標題音楽」で名声得ていた。その頃レーガーは、バッハベートーベンブラームスら(いわゆるドイツ三大B)の諸作品を研究し、自らをドイツ音楽正統的な後継者位置付けようとしていた。一方では、リストワーグナーの「拡張され和声法」の研究もしており、古典的な構成同時代和声法組み合わせた極めて対位法的な楽曲レーガー作品特徴といえる。その作曲スタンス極めて絶対音楽」であり、フーガ変奏曲を得意とした。
 《左手のための4つの特別な練習曲》は上記のことが十分に垣間見れる作品である。この作品のように、右手一切使わず左手だけで演奏されることを念頭において書かれ作品は、作曲技法上書ける音符制限されている。つまり身体的な制限含めて左手だけで演奏できる音型や音数は非常に限られてくる。この作曲上の難点克服するためには多彩な和声感と、同型反復の「飽き」に絶えうるだけの変奏技術必須である。フーガ変奏曲を得意としたレーガーはこれらの問題見事に克服している。第1曲スケルツォ、第2曲ユモレスクでは練習曲特有のある種硬さ感じられるものの、多彩な和声音色タッチ変化奏者要求しており弾きごたえのある楽曲である。第3ロマンス同型反復主体にしており、多彩な和声変化加え高度な同型変奏技術特徴的である。1894-1895年にかけてスクリャービンによって作曲された《左手のための2つの小品 op.9》をレーガー聴いたという確かな根拠はないが、第3曲で見られる音型はスクリャービン作品でも多用されており左手作品常套音型であろう。第4曲前奏曲とフーガバッハ的な構成見せており、特に3声のフーガ圧巻である。第4曲は大変難曲であり、演奏される機会少ない。
 全曲通して休符少ないのも特徴一つである。この曲を演奏する場合(特に第3、4曲)、左手だけで練習するのと同時に構成はっきりしているため両手演奏してみるのも効果的だろう。




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