反応度
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反応度(はんのうど、reactivity)は、原子炉制御の重要なパラメーターのひとつである。
- ^ “遅発中性子 - ATOMICA” (日本語). ATOMICA. ATOMICA用語集. 日本原子力研究開発機構 (1998年2月). 2019年9月5日閲覧。
- ^ “ドル - ATOMICA” (日本語). ATOMICA. ATOMICA用語集. 日本原子力研究開発機構 (2006年7月). 2019年9月5日閲覧。
- ^ もちろん原子炉スクラムにおいては下限に関係なく投入できる最大の負の反応度を投入する。
反応度係数
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原子炉内での過渡変化に伴う反応度の増減効果を正または負の反応度効果と言い、その増減率を反応度係数と呼ぶ。例えば沸騰水型原子炉において、減速材の温度上昇に伴う蒸気の泡(ボイド)の発生量の増加現象は、減速材の密度低下による中性子減速効果の減少をもたらすので、負の反応度効果である。すなわち温度が上がってボイドが多くなると核分裂が減って温度が下がる。また燃料集合体の温度上昇はウラン238の中性子吸収確率を増加させる(ドップラー効果)ので、やはり負の反応度効果である。すなわち燃料ペレットの温度が上がるとドップラー効果で核分裂が減って温度が下がる(自己制御性)。 原子炉の温度変化に伴う反応度係数を反応度温度係数と呼び、通常は温度係数と略称される。温度係数には燃料の温度変化による燃料温度係数、減速材の温度変化による減速材温度係数、ボイド発生量によるボイド係数がある。その他には原子炉出力による反応度出力係数や反応度質量係数などがある。 原子炉を安全に運転するためには、原子炉全体の出力の増加に伴う反応度出力係数が負の値となるように原子炉が設計されていなければならない。旧ソ連のRBMK-1000型原子炉は正の出力反応度係数を持つ原子炉であったため、常に何本かの制御棒を原子炉内に挿入しておく必要があった。そのため規定以上の数の制御棒引き抜きは禁止されていて、運転規定にも明記されていたものの理由の説明が操作員に徹底されていなかった。蒸気タービンの惰力運転試験のために操作員が原子炉出力を上げようとして規定以上の数の制御棒を引き抜いたことがチェルノブイリ原子力発電所事故の原因とされる。
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