原始的帰属
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 03:19 UTC 版)
特許を受ける権利は、発明を完成した者(発明者)に原始的に帰属する(特許法29条1項柱書)。複数人で共同して発明した場合には特許を受ける権利は発明者全員が共有する(→共有に係る特許権)。特許法によれば、発明者は常に自然人であり(特許法36条1項2号)、法人が発明者の地位を得ることはできない。たとえ企業の研究開発部門などに所属する従業員が職務上完成した発明(職務発明)であっても、その発明に係る発明者は従業員であって、その発明に係る特許を受ける権利は従業員に原始的に帰属する。 外国人 外国人は原則として私権を享有することができるが、法令の規定によって外国人の私権の享有を制限することもできる(民法3条2項)。特許法25条は、日本国内に住所または居所を有しない外国人については、以下のいずれかの要件を満たす場合のみに特許を受ける権利の享有を認めている。 その者の属する国において、日本国民に対しその国民と同一の条件により特許権その他特許に関する権利の享有を認めているとき(1号) その者の属する国において、日本国がその国民に対し特許権その他特許に関する権利の享有を認める場合には日本国民に対しその国民と同一の条件により特許権その他特許に関する権利の享有を認めることとしているとき(2号) 条約に別段の定があるとき(3号) 工業所有権の保護に関するパリ条約は、内国民待遇の原則を採用している(パリ条約2条)。すなわち、パリ条約同盟国の国民に対しては、日本国民に対して認められる権利と同等の権利の享有を認めなければならない。したがって、パリ条約同盟国の国民であれば、特許法25条3号の規定により特許を受ける権利を享有することができる。
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