劣悪遺伝子排除法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 08:32 UTC 版)
「銀河英雄伝説の用語」の記事における「劣悪遺伝子排除法」の解説
帝国暦9年、初代皇帝ルドルフによって発布された法律。優生学的思想に基づき、知的能力や身体機能に異常がある者、あるいは学習・労働意欲が希薄な者が遺伝的に劣悪であると定義した上で、その遺伝子の存続を抑制するというもの。特に去勢やロボトミー手術による安楽死など極端と言われる方法が実行された。遺伝的に優秀とされた一族が貴族に叙せられるのと、対をなす政策である。 しかし、その法を制定したルドルフ自身の寵姫が先天性障害を持つ男児を出産するという事態が発生。母子のみならず寵姫の親族や出産に立ち会った医師までが死を賜り、「ルドルフに先天性障害の原因となる遺伝的要素は無い」とされ、真相は隠蔽された。 同法は「晴眼帝」マクシミリアン・ヨーゼフ2世により有名無実化されたとされるが、実際にはその後も障害者に対する差別は残った。例えば赤緑色盲を持つ者は公然と差別を受け、それを隠して幼年学校に入学したハーゼは、障害が公になった時点で幼年学校を退学させられている(「朝の夢、夜の歌」)。OVA版では、皇孫であるブラウンシュヴァイク、リッテンハイム両貴族の娘にも遺伝子異常があるとされ、ストーリーに関わってくる。 ただし、本伝の時期には、門閥貴族のような支配層の子弟に「遺伝子の劣悪」が認められた場合、逆にその財力と権力によって保護される事例もみられる。帝国内では、そうした上流層の障害者のために特殊な食品などが少量生産されている。 また、オーベルシュタインは先天的な視覚障害があり、義眼によって視力を得ていた。「マクシミリアン・ヨーゼフ2世の以前であれば自分も抹殺されていただろう」と述べ、ゴールデンバウム王朝を憎む動機となっている。
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