全域的算法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 04:04 UTC 版)
通常は、D = An の場合を考えることが多く、そういう算法 f を(仮に)全域的算法とよぶ。また、n が有限順序数の場合を考えることが多い。その場合、An は A の n 個の元の組み (a0, a1, ..., an−1) の全体であって、f によってこれをうつしたものは f(a0, a1, ..., an−1) と書くことができる。しかしさらに、n = 2 の場合を考えることが多く、この場合、 f(a0, a1) を a0 f a1 とか a0 a1 f とか書くことが多い。 従って、全域的な 2 項算法とは、A の元の二つ組み (a, b) の各々に A の何らかの元を対応させる写像のことである。 例えば、二つの実数 a, b にその和 a + b を対応させる写像は、実数すべての集合における全域的 2 項算法であって、和の記号 + はこの算法(すなわち加法)の上記二番目の記法 a0 f a1 の f に当たるものと解される。加法は普通の中置記法では a + b と書くが、逆ポーランド記法では a b + と書く。これは、上記の a0 a1 f という記法に当たるものと解される。実数の減法・乗法・除法についても同様である。ただし除法は、0 で割ることができないから、全域的ではない。 1 項算法も珍しくはない。例えば、複素数にその共役複素数を対応させる写像は 1 項算法である。また、体 K 上の線型空間 V においては、 K の任意の元 a と V の任意の元 v に対して V の元 av が存在するが、これは、K を添数集合とする V の 1 項算法族 (fa)a∈K があって fav を av で表していると解される。こう考えれば、例えば環 R 上の加群 M における R の元の M への作用のような「外的算法」は、すべて 1 項算法とみなされる。なお、1 項算法は単項算法とよぶ方が語呂がいい。
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