伝統芸能の襲名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 17:53 UTC 版)
歌舞伎や落語などの伝統芸能、茶道・生け花などの家元や相撲界などでは、名前が家柄の権威や伝統あるいは個人の技術を表し、その資格を持つ者が継承する。この場合は、継承する者が先代と血縁関係にあるとは限らず、師弟関係にあってあくまでも個人的な技能の能力から判断される(相撲の年寄名跡においては先代の入婿となることも多い。佐田の山晋松や琴ノ若晴將など)。 日本だと実名の改名に家庭裁判所の承認(法的な判断)が求められるが、芸能などの襲名であれば比較的認められやすい傾向にある。 戸籍上の本名か、芸名・筆名(変名)との区別を問わずに用いるが、通常の襲名だと歌舞伎や落語などで名跡を継ぐことを想像する人が多いのかと想われる。珍しい例として、初代桂文枝は、明治維新で戸籍ができた際に、本名も桂文枝とした。 伝統芸能以外では、ヤクザや的屋の世界において親分の地位を継承する襲名披露が行われている。これは初代、又は先代の姓名を個人が継承をするものではなく、組や一家の名字が跡目を通じて継承される、いわゆる名跡として認知される。 競技・スポーツにおいては、大相撲で師匠や所属部屋の名力士の四股名を襲名することがあり、こうして伝統あるものとなった四股名は出世名と呼ばれる。また、現役力士が引退して年寄となる際には「引退して年寄○○を襲名」となる。行司については、三役格の行司から立行司に昇格した時点でまず序列第2位の「式守伊之助」を襲名して、その後に最高位の立行司に昇格する時点で「木村庄之助」を襲名することが慣例となっている。登録名やリングネームが襲名されることはほとんどなく、プロレスで2世レスラーが『父親のリングネーム+ジュニア』を名乗ることがあるほか、『タイガーマスク』のように覆面レスラーが代替わりする際にも襲名と表現されることがある。
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