代行部分(だいこうぶぶん)
企業の厚生年金基金は、国に代わって公的年金の一部を運用し、加入者の退職後に年金を支給することができる。企業は、代行部分について、保険料を国に納付しなくてよい。
最近では、低迷する株式市場や低水準で推移する金利情勢などを受けて、代行部分の運用が苦しくなっている。資金の運用環境が悪化すれば、代行して運用益を上げるメリットもないため、代行部分を国に返上することができる。
代行部分を国に返上するとき、運用資産を国に納めなければならない。ところが、運用中の株式を物納するには厳しい制限があって、現金によって納付する必要がある。そのため、保有する株式を株式市場で売却して現金化しなければならない。
代行部分の返上に伴う株式の売り圧力が強まれば、株式市場はさらに下落する。このところの株式市場の低迷は、代行部分の返上が一因とされ、悪循環を引き起こしている。
NTTグループの厚生年金基金は、公的年金の代行部分について、国に返上する方針を固めた。基金加入者の同意を得た上で、厚生労働省に代行返上の申請をする予定。国内最大級の約1兆円とも言われる大型基金の決断が株式市場の需給関係に与える影響は無視できない。
(2003.05.06更新)
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