他の節足動物との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 09:48 UTC 版)
「パリオスコーピオ」の記事における「他の節足動物との比較」の解説
節足動物として一般的な共通点(例えば複眼・背甲・背板・肋部・関節肢などをもつこと)を除き、パリオスコーピオは独特で難解な部分が多い。解釈によって特定の節足動物(主にフーシェンフイア類)との類似性が僅かに見出せるものの、残りの相違点が顕著のため、全体的にどの節足動物の分類群の基本体制にも当てはまらない。その類似点と相違点は次の通りに列挙される。 鋏角類 パリオスコーピオの頭部は鋏角類として決定的な鋏角と5対の歩脚型付属肢はなく、胴部は14節で鋏角類の上限である13節を上回り、胴肢も鋏角類との類似性が低い。 大顎類 パリオスコーピオの多枝型の胴肢は一部の大顎類(甲殻類など)に似ているが、頭部は大顎類として決定的な顎(大顎と小顎)はない。 Artiopoda類・メガケイラ類・フーシェンフイア類 パリオスコーピオの鎌状の付属肢は後大脳性/第2体節由来だった場合、後大脳性付属肢が強大化した所はフーシェンフイア類のSPAとごく一部のArtiopoda類(ケロニエロン類、Kodymirus)の第2付属肢に似ている。それに踏まえて、もしパリオスコーピオの頭部は本当に3節のみを含めば、頭部の体節数までフーシェンフイア類に似た可能性もある(ただしフーシェンフイア類の頭部構成に関しては、前述の対応関係に疑問をかける異説もいくつかある。詳細はフーシェンフイア類#頭部付属肢と体節の対応関係を参照)。一方、パリオスコーピオの鎌状の付属肢は中大脳性/第1体節由来だった場合、中大脳性付属肢が強大化した所はメガケイラ類の大付属肢に似ている。ただし、パリオスコーピオの頭部は多肢節型の触角や(Artiopoda類とメガケイラ類がもつ)複数対の歩脚型付属肢はなく、胴肢もこれらの群の二叉型付属肢との類似性が低く、胴肢と背板もお互いに対応でフーシェンフイア類のような非対応性がない。 上述の分類群以外では、マーレロモルフ類(強大な突起をもつ頭部・肋部をもたない胴部・環節に細分された外肢)、ユーシカルシノイド類(前後分化した胴部・胴肢と背板の非対応性・多肢節で単枝型の胴肢)、Hymenocarina類(発達した背甲・肋部をもたない胴部)、イソキシス類(二枚の半円形の背甲・背板のない胴部・二叉型付属肢)、ラディオドンタ類(放射状の口器・前大脳性の可能性がある頭部付属肢・背板と関節肢をもたない胴部)などもパリオスコーピオとは明らかに異なる。
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