他の系との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/02 11:55 UTC 版)
統計力学において研究されるXY模型は、各格子点のスピンが2次元の単位ベクトル s = ( cos θ i , sin θ i ) {\displaystyle s=(\cos \theta _{i},\sin \theta _{i})} により表される模型であり、そのハミルトニアンは H = − J ∑ ⟨ i , j ⟩ cos ( θ i − θ j ) {\displaystyle H=-J\sum _{\langle i,j\rangle }\cos(\theta _{i}-\theta _{j})} により与えられる。ここに ⟨ i , j ⟩ {\displaystyle \langle i,j\rangle } は最近接格子の組に関する和であり、XY 模型では各スピンは最近接格子(1次元ならば隣接する2点)のスピンとのみ相互作用する。HMF モデルはその逆に各スピンが他のすべてのスピンと同じ強さで相互作用する(平均場近似)ものである。 HMF モデルは1次元重力多体系において重力ポテンシャルのフーリエ級数表示を最低次で打ち切ったものに一致する。すなわち、 N {\displaystyle N} 個の粒子の座標を θ i {\displaystyle \theta _{i}} とするとき、その系の重力ポテンシャル ψ {\displaystyle \psi } はポアソン方程式 ∇ 2 ψ ( θ ) = k 2 ∑ i = 1 N [ δ ( θ − θ i ) − 1 2 π ] {\displaystyle \nabla ^{2}\psi (\theta )={\frac {k}{2}}\sum _{i=1}^{N}\left[\delta (\theta -\theta _{i})-{\frac {1}{2\pi }}\right]} により定まる( k {\displaystyle k} は定数、 δ ( x ) {\displaystyle \delta (x)} はディラックのデルタ関数)。その解をフーリエ級数の形 ψ ( θ ) = k 2 ∑ i = 1 N ∑ n = 1 ∞ 1 − cos n ( θ − θ i ) π n 2 {\displaystyle \psi (\theta )={\frac {k}{2}}\sum _{i=1}^{N}\sum _{n=1}^{\infty }{\frac {1-\cos n(\theta -\theta _{i})}{\pi n^{2}}}} に表示するとき、最低次の n = 1 {\displaystyle n=1} の項のみを残す近似が HMF モデルである。 θ i = θ j {\displaystyle \theta _{i}=\theta _{j}} での特異性を持たず系のサイズが有限であるため、HMF モデルは重力多体系特有の困難のないごく単純化した模型とみなすことができる。
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