三の巻(欧羅巴洲)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/28 22:33 UTC 版)
また、三の巻(ヨーロッパの巻)では、当時の5大国として、「魯西亜」(ロシア)、「普魯士」(プロシヤ)、「墺地利」(オウストリヤ)、「英吉利」(英国)、「仏蘭西」(フランス)をあげて、文明開化の中心地と説明している。そして、ヨーロッパの説明では 「土地の広袤(ひろさ)を較(くらぶ)れば、五大洲の末なれど、狭き国土に空地(あきち)なく、人民恆(つね)の産を得て、富国強兵天下一、文明開化の中心と、名のみにあらず其実(そのじつ)は、人の教の行届き、徳誼(とくぎ)を修め知を開き、文学技芸美を尽し、都鄙(みやこいなか)の差別(しやべつ)なく、諸方に建(たつ)る学問所、幾千万の数知らず。」 と述べて、その繁栄ぶりを強調している。さらに、説明を続けて 「彼(か)の産業(すぎわい)の安くして、彼(かの)商売の繁昌し、兵備整ひ武器足りて、世界に誇る泰平の、その源を尋(たずぬ)るに、本(もと)を務(つとむ)る学問の、枝に咲きたる花ならん。花みて花を羨(うらや)むな、本なき枝に花はなし。一身(ひとり)の学に急ぐこそ、進歩(あゆみ)はかどる紆路(まわりみち)、共に辿(たど)りて西洋の、道に栄(さかゆ)る花をみん」 と述べて、文明開化を進めるには学問が根本にあるとして「学問のすすめ」を説いている。
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