ワークプレイスのユニバーサルデザイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 01:55 UTC 版)
「ユニバーサルデザイン」の記事における「ワークプレイスのユニバーサルデザイン」の解説
ユニバーサルデザインは主に不特定多数のユーザーが使う公共空間、プロダクト等が対象であったが、ワークプレイス(働く場)にも概念が拡大している。障がいのあるワーカーやシニアワーカーの就労機会の拡大、外国人ワーカーの増大、子育て中の女性や身内の介護に携わる人など、様々多様なワーカーが働くことを前提とすべき社会にいて、「誰でも働きやすい」ワークプレイスのユニバーサルデザインが必要とされている。 ワークプレイスのユニバーサルデザインには、建築空間のアクセシビリティやユーザビリティばかりではなく、家具・什器や情報機器などのエルゴノミクス的視点を含め、「働く」という行為を取り巻く総合的な「働きやすさ」が必要となる。また、「働きやすさ」というゴールを実現するためには、建築から機器に至るまでのハードウェアが使いやすいだけでなく、多様なユーザーが「自分にとって最も快適で使いやすい環境を選択できる」というアプローチが有効であり、ワークプレイス全体で考えた場合のDesign for allとなる。例えばその時々の仕事の内容等により、オフィス空間の中で自分が最も働きやすい場所・環境を選択できるABW(Activity Based Working)は、全てのワーカーにとってメリットが大きい。 このABWの考え方を、在宅勤務、サードプレイスでの仕事などまで広げれば、ワーカーが自分の働き方を合理的かつ自律的に選択でき、「通勤」「オフィスでの勤務」といったストレスからも自由となる。また「働く」という点から見ると、プレイス(場)への配慮とともに、情報へのアクセス、人と人のコミュニケーションやコラボレーションにおけるスムースさといったソフト面にも配慮が必要となる。これらも広い意味でワークプレイスのユニバーサルデザインといってよいものだ。 近年、快適でストレスの少ないウェルビーイングの高いワーク環境が、仕事の生産性・創造性向上に大きな効果があることが実証され、また、ワーカーの満足度向上、リクルーティングにおける優位性が期待されることからも、企業等における関心も高まっている。
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