ニュートン力学とガリレイの相対性原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 06:49 UTC 版)
「特殊相対性理論」の記事における「ニュートン力学とガリレイの相対性原理」の解説
ニュートンは力学を記述するに当たって以下のような、いわゆる「絶対時間と絶対空間」を仮定した(ニュートン力学)。 「 絶対時間 その本質において外界とはなんら関係することなく一様に流れ、これを持続と呼ぶことのできるもの 絶対空間 その本質においていかなる外界とも関係なく常に均質であり揺らぎがないもの 」 —ニュートン(『プリンキピア』より) つまり時間と空間はそこにある物体の存在や運動に何ら影響を受けないと仮定したのである。これは我々が抱いている時間や空間に対する漠然とした感覚を明確化したものであった。 ニュートン力学の一つの帰結として、すべての慣性座標系が本質的に等価であり、同一点上にある2つの慣性座標系 A = (t, x)、B = (t′, x′) が (t′, x′) = (t, x − v t) という変換(ガリレイ変換)によって結ばれる事が示されている。ここで t, x は慣性系Aにおける時刻と位置であり、t′, x′ は慣性系Bにおける時刻と位置であり、v はAから見たBの速度である。 ニュートン力学においてすべての慣性座標系は本質的に等価なものであるので、ニュートン力学においては空間に対して「絶対的に静止している座標系」といった概念は意味をなさず、あくまで「慣性系Aが慣性系Bに対して相対的に静止している」という概念のみが意味を持つ。このことから、力学の法則はすべての慣性座標系で同一であることが結論付けられ、この事実を ガリレイの相対性原理 (Galilean invariance) と呼ぶ[疑問点 – ノート]。
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