スラッシング
スラッシングとは、仮想記憶システムにおいて、ページの置き換えが頻繁に発生し、コンピュータシステムの性能が低下してしまうことである。
主記憶装置の容量が少ないにも関わらず、アプリケーションソフトが極端に巨大なメモリ領域を確保して作業をはじめてしまうと、仮想メモリと物理メモリが、スワップインとスワップアウトを繰り返し、スラッシングが発生しやすくなる。また、これにより、もともと実行したかったプログラムの処理が滞ることになる。そのため、一般的には、大量のメモリを使用しているアプリケーションを終了させたり、あるいは物理メモリの容量を増設することで、スラッシングを防ぐ方法が取られる。
スラッシング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 15:30 UTC 版)
スラッシング (英: Thrashing) とは、仮想記憶環境下において、物理メモリが不足気味で、かつ動作しているプロセスのアクセスパターンのために、ページアウトしたデータをすぐにページインするというようなことを頻繁に繰返す必要が発生していて、仮想記憶を管理しているシステム(一般にはオペレーティングシステム)のそのような動作の結果、システムの動作が極端に遅くなっている、というような状態[1][2][3]のことである。解決策の一つは十分なメモリを準備することである[1]。
- ^ a b Mike Loukides 著、砂原秀樹 監訳『UNIXシステムチューニング』アスキー出版局、1991年7月21日、163-164頁。ISBN 4-7561-0077-5。
- ^ P.HAYES, JOHN (1978,1979). Computer Architecture and Organization. pp. 359-360. ISBN 0-07-027363-4
- ^ J.DONOVAN, JOHN (1972). systems programming. pp. 378. ISBN 0-07-085175-1
- ^ スワップファイル、ページファイル、スワップパーティション、ページング領域など名称は実装により異なる。
- ^ ただし、Windowsのような動的にスワップ領域を確保・拡大できる実装では連続性はあまり期待できない。
- ^ GNU mallocアルゴリズムでは適用できない場合がある。
- ^ 具体的には、物理メモリアドレスの上位ビット(キャッシュメモリでのフレームアドレス)がAとBとで異なり、かつ、下位ビット(エントリアドレス)が、同一要素番号のAとBにつき同一となるような場合。
- ^ 同一エントリに異なるフレームアドレスが転送されると必ずラインの入れ替えが発生するため。キャッシュメモリのダイレクトマップ方式参照。
- 1 スラッシングとは
- 2 スラッシングの概要
- 3 TLBにおけるスラッシング
スラッシング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 09:35 UTC 版)
スティックで相手選手の体を叩いたり、相手のスティックを強く叩いたりする。実際に当てていなくても相手を怯ませる目的でスティックを振り回しても適用される。乱闘の最中に振り回した場合はゲームアウト。
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スラッシング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/07 01:45 UTC 版)
詳細は「スラッシング」を参照 多くのプログラムは、ある程度動作すると参照の局所性によって命令フェッチでもデータアクセスでもページフォールトが発生しない安定状態になる。この安定状態で使用しているメモリ量は、そのプログラムが必要とする全メモリ量よりも少ないのが一般的である。この安定状態をワーキングセットなどと呼び、そのプログラムが最も頻繁にアクセスするメモリページ群を意味する。 仮想記憶システムは、物理メモリの総ページ数に対してワーキングセットとして必要とされるページ数が小さいほど効率的であり、ページフォールト処理にかかる時間は性能の支配的要因ではなくなる。非常に巨大なデータ構造を必要とするプログラムはワーキングセットも巨大となる傾向にあり、ページフォールトがコンスタントに発生するためシステム性能が劇的に低下することがある。そのような状況をスラッシングという。 スラッシングの興味深い特性として、ワーキングセットが大きくなってもページフォールト回数はある臨界点まではあまり増えない。その臨界点を越えるとページフォールト回数が劇的に増え、システム性能がそれに支配されるようになる。 その種の極端な例として、IBMの System/360 Model 67 と System/370 で、データ転送命令の機械語がページ境界をまたぎ、データ転送元もページ境界をまたぎ、データ転送先もページ境界をまたいだ場合がある。そのとき、その命令を実行するには8ページがメモリ上になければならない。したがって、最大8回のページフォールトが連続的に発生する可能性があり、スラッシングが発生するといつまでたっても8ページが揃わないという状態になる。 スラッシングを解決する手段として、次のような対策が考えられる。 RAMを増設する(長期的解決策) 同時に実行するプログラムの数を減らす。
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