スコットランド戦での勝利
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 15:04 UTC 版)
「宿澤広朗」の記事における「スコットランド戦での勝利」の解説
1989年5月28日、秩父宮ラグビー場でIRB所属のスコットランドに、28-24で勝った(主将・平尾誠二)。これは日本代表の対IRBメンバー戦初勝利であり、トライ数は日本が5、スコットランドが1であった。この殊勲は、漫画「美味しんぼ」に取り上げられた。 試合前日、秩父宮ラグビー場でのスコットランドの非公開練習に、宿沢はラグビー場を見渡す事のできる伊藤忠商事ビルの12階から双眼鏡で偵察した。その理由は、「見るなと言われると、余計に見たくなるのが人情」であった。 また、試合前から「スコットランドには勝てると思います」と公言していた(以下の宿沢の発言を参照)(試合終了後の会見では「ね。勝つって言ったでしょ?」が第一声だったという)。 スコットランド戦のフィフティーン 番号選手名所属1 太田治 日本電気 2 藤田剛 明治大学OB 3 田倉政憲 三菱自動車工業京都 4 林敏之 神戸製鋼 5 大八木淳史 神戸製鋼 6 梶原宏之 東芝府中 7 中島修二 日本電気 8 シナリ・ラトゥ 大東文化大学 9 堀越正巳 早稲田大学 10 青木忍 大東文化大学 11 吉田義人 明治大学 12 平尾誠二 神戸製鋼 13 朽木英次 トヨタ自動車 14 ノフォムリ・タウモエフォラウ 三洋電機 15 山本俊嗣 サントリー ただし、スコットランドはレギュラークラスを半分ほど、ブリティッシュライオンズ(イングランド・スコットランド・アイルランド・ウェールズでの選抜代表チーム)の遠征に取られていたため、来日時は「代表」(ナショナルチーム)とはせず、「プレジデントフィフティーン」とした。しかし、代表チームに準じる相手との対戦であることに変わりはない。 ライオンズのNZ遠征も勝利の要因であったが、加えて来日中好調だったスコットランドのキッカーのゴールが入らなかった(5本連続で失敗し、代わったキッカーの1本目も外れたため、実に6本連続で不成功)。試合前の国歌斉唱で「フラワー・オブ・スコットランド」を流すべきところを、イングランド(イギリス)の「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」を流したことにより、士気を下げコントロールを崩したとも考えられる。ただし、この当時のテストマッチでスコットランド国歌としては「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン」が演奏されるのが一般的であった。ラグビーアンサムとして「フラワー・オブ・スコットランド」が用いられるのは後の時代の話である。 宿沢以降の日本代表の遠征では、アイルランドに9-78(監督・平尾誠二)、ウェールズに0-98、スコットランドに8-100(監督はともに萩本光威)という壊滅的な敗戦を喫している。また日本代表が再びスコットランドに対し勝利を収めたのは2019年10月13日に行われたラグビーワールドカップ2019での試合であり(28-21)、実に30年を要した。
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