クルアーンの成立と正典化とは? わかりやすく解説

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クルアーンの成立と正典化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 04:34 UTC 版)

クルアーン」の記事における「クルアーンの成立と正典化」の解説

クルアーン成立経緯は、クルアーン自身ハディース預言者ムハンマド言行録)、およびムスリムイスラム教徒)の伝承によれば以下の通りである。 アラビアヒジャーズ地方の町マッカメッカ)の商人であったムハンマドは、40歳ほどであった西暦610年頃に、迷うところがあってしばしばマッカ郊外ヒラー山洞窟瞑想していた。ある日瞑想中に突然、大天使ジブリールガブリエル)が彼のところにあらわれ、神から託され第一の啓示与えた(この最初啓示時期ラマダーン月のライラトルカドル(英語版)という説がある)。 はじめムハンマドはこれをジン魔人)に化かされたものかと思い怖れたが、やがてこれを真に神から与えられ啓示信じて、自ら啓示受け取って人々伝え使徒としての役割務めることを決意した。そうして啓示ムハンマドが死ぬまで何回にも分けて下されたムハンマド自身文盲であったため、彼を通じて伝えられ啓示ムハンマド信徒たちの暗記によって記憶され口伝え伝承され、また書記によって記録され伝承された。また、啓示されクルアーン一部は、ムハンマド生前から彼に直に接した信徒たちによって木の板や棕櫚石などに文字としてその都度記録されていたことはハディースなどでも伝えられている。しかし後にムハンマド直に接し啓示記憶した者たちが虐殺されはじめ、記憶留めるためにクルアーンを一冊にする作業はかられ始めたこのように書物の形にまとめられクルアーンをムスハフという。 まとめられる以前は、イスラーム共同体全体として統一した文字化が行われなかったため、次第伝承者地域によって内容異同生じたり、伝承者による恣意的な内容の変更伝承過程での混乱生じはじめて問題となっていた。 これに対し危機感抱かれ初代正統カリフアブー・バクル時期632年 - 634年)に、ムハンマド秘書務めたザイド・イブン=サービト(英語版)によって、初のクルアーン編纂が行われ、続いて第3正統カリフウスマーンクルアーン正典化命じ650年頃、再びザイド・イブン=サービトを中心として、クルアーン編纂が行われて1冊のムスハフにまとめられた。ウスマーン公定ムスハフを標準クルアーンウスマーン版と呼ばれる)とし、それ以外のムスハフを焼却させた。このためウスマーン版を除くムスハフは現在までのところ発見されておらず、クルアーン偽典外典のたぐいは存在しないとされる1972年発見されサナア写本英語版)には、ウスマーン以前のもの考えられるクルアーン断片含まれており、従来ウスマーン以外のクルアーン内容伝えるものとして唯一のものとされてきた。しかし、2015年になってイギリス・バーミンガム大学保管されてきたバーミンガムコーラン写本英語版)に使われている羊皮紙放射性炭素年代測定法測定したところ、ムハンマド生きていた時代重な568年 - 645年のものであることが判明しウスマーン以前のものとしては現存する最古写本であると考えられている。この写本は2ページ現存しており、スーラの第18章から20章一部書かれている

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