キンディー【al-Kindī】
キンディー
キンディー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/27 23:32 UTC 版)
アブー・ユースフ・ヤアクーブ・イブン・イスハーク・アル=キンディー(アラビア語: أبو يوسف يعقوب ابن إسحاق الكندي; Abū-Yūsuf Yaʿqūb ibn Isḥāq al-Kindī, 801年 - 873年?)は中世イスラームの哲学者、科学者、数学者、音楽家。広範な分野の著作のアラビア語訳を行い、諸分野、特にイスラーム哲学の基礎を作った人物である。数学を基礎として、天文学、医学、光学、政治学、弁論術、音楽論などから哲学に及ぶ広範囲にわたる著作二百数十点を著わした。ヨーロッパ語圏では、ラテン語化されたアルキンドゥス(Alkindus)の名でも知られている。 また、ペルシア人やユダヤ人の学者の多い中で、数少ないアラブ系の部族にルーツを持つ偉大な哲学者の1人であったので、「アラブの哲学者」という敬称も持つ。
- 1 キンディーとは
- 2 キンディーの概要
キンディー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 17:58 UTC 版)
キンディーは、知恵の館の中心人物で、科学的な話題を含む様々なトピックについて、200以上もの論考を残している。視覚や光は彼の哲学では重要な役割を果たしていた。現存する、関連する話題の著作としては、鏡による集光の書、空の青さの原因を考察した書などがあるが、もっとも重要なのは(反射視学を含む)幾何学的な視覚論に関する論考 De Aspectibus である。ラテン語にも訳されて広く読また。 De Aspectibus は主にユークリッドを典拠としているが、隙間のある視線の構造を批判するなど、様々な基本的な点についてユークリッドを批判し、非常に独創的である。本書ではじめて、「点状解析(英:punctiform analysis, point analysis)」とよばれる手法が明示的になった。これは、視線を放出する眼の部位を点のような小さな部分に分割し、そこから直線的に視線を全ての方向に放出させる。また、キンディーは二つのロウソクで照らされた部分がより明るくなることに注意して、視線の密度を視覚の明瞭さ結び付けた。 この手法は、後のイブン・ハイサムの光学の成立に非常に重要な役割を果たし、ケプラーにも受け継がれた。 上記において、視線と光が同じ性質を取ることが暗黙の前提とされている。視線の直進性の「証明」として述べられているのも、光の直進性の検証である。その議論の中で、ロウソクの明かりが穴を通して壁にどのように投影されるかを分析しているが、これは穴の大きさが無視できるほどには小さくないカメラ・オブスクラと同様の設定である。ただし、目的は像の投影ではなく、穴の大きさと像の崩れの関係が分析されているわけではない。
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