キャッシュクリア
「キャッシュクリア」の言葉の意味とは
「キャッシュクリア」とは、Windows、MacなどのPCやandroid、iphoneなどのスマートフォン、そしてChrome、Safariなどのアプリにおいて、蓄積されたキャッシュデータを消去する処理のこと。情報端末には、Webページを表示したり各種データをダウンロードしたりする際に、キャッシュデータという形で一時的にデータを保存している。このキャッシュを読み込むことで、一度閲覧したWebページや参照したデータの再読み込みを簡略化することが可能だ。しかし、キャッシュが蓄積することは後述する様々なデメリットが存在するため、このキャッシュデータを消去する必要がある。そのキャッシュデータ消去のために行う処理こそが、「キャッシュクリア」である。
「キャッシュクリア」を使った言い回し
「キャッシュクリア」という言葉は名詞として使用する用法と、動詞的に使用する用法が存在する。前者の場合は「頻繁なキャッシュクリアによって、スマートフォンの動作を軽快な状態に保つようにする」「キャッシュクリアは、アプリの動作が不調なときの代表的な解決策である」といった形で主語や補語、目的語として用いる。一方、「ハードディスクの容量が少なくなってきたからキャッシュクリアした」「アプリの起動時にエラーが発生した場合はまずキャッシュクリアしてください」のように、「キャッシュクリア」の後ろに「する」をつけることで動詞的に使用するのが後者の用法である。「キャッシュクリア」が使われる場面は専らPCやスマートフォンといった情報端末や、ChromeやSafariなどといったブラウザを始めとするアプリケーションに関する文脈で用いられる。「スマホが重い時はキャッシュクリアを試してみるといいよ」といった言い回しで、しばしば情報端末やアプリが「重い」という言葉とセットで語られることが多い。「キャッシュクリア」が登場する文章内での「重い」は、「動作が重い」の意であり、物理的な質量についての意味ではないことに注意したい。なお、アプリに関しては物理的な実体がないため「重い」という表現が登場した場合は、アプリの動作速度に関する話題であると容易に想像できるが、情報端末は物理的な実体が存在する上に、PCなどの大型の情報端末は質量もそれなりに存在するため、「キャッシュクリア」などの動作に関わる語が存在するかどうかで「動作が重い」のか「物理的に重い」のかを別途判別する必要があるだろう。
「キャッシュクリア方法」とは
「キャッシュクリア方法」とは、キャッシュクリアを行う具体的な方法のことである。情報端末の記録媒体に蓄積されたキャッシュデータを削除するための手法であるが、キャッシュクリア方法は様々なものが存在する。キャッシュクリア方法を論ずるにあたっては、前提として「何故キャッシュクリアを行うのか」という目的について把握しておく必要があるだろう。第一に挙げられるのが、端末やアプリの動作を軽量化、及び正常化することである。キャッシュデータが溜まっていくことで参照するデータが増えて動作が重くなったり、破損したキャッシュデータを参照することで端末やソフトが異常な挙動を示す場合がある。そのリスクを回避するためにキャッシュクリアを行う。第二に挙げられるのが、キャッシュデータを削除して記録媒体の空き容量を確保することである。キャッシュデータひとつひとつの容量は大きいものではないが、蓄積することで記録媒体の容量を圧迫する。そのため、削除を行って空き容量を増やし、他のデータが保存できる余裕を持たせる目的でもキャッシュクリアは行われるのだ。
上記の2つの目的のうち、前者を目的として行われる代表的な例を一つ挙げるならば、Webブラウザ等に備わっている「キャッシュクリア機能」の使用となるだろう。主にWebブラウザ等の設定画面に用意されている「キャッシュクリア」ボタンを押下するだけでキャッシュクリアを行うことが可能だ。また、アプリによっては動作が重くなったことを自動的に検知してダイアログを表示し、「キャッシュクリアを行うことで状況が改善する場合があります」という旨の文言とともにキャッシュクリアボタンを表示させるケースも存在する。この場合はダイアログに表示されたキャッシュクリアボタンを押下することでキャッシュクリアが行われる。
OSの管理機能のひとつにキャッシュクリア機能を備えているケースも存在する。例えば、Windowsでは「ディスクのクリーンアップ」という管理機能において、キャッシュデータを削除することが可能である。ディスクのクリーンアップ機能ではキャッシュデータ以外にも、ごみ箱に入っているデータの完全削除やCookieの削除、適用済みのアップデートデータのインストールファイルの削除などを行うこともできる。ディスクのクリーンナップに関しては、上記で挙げた2つの目的のうち、後者の「ディスク容量の確保」を主眼として使用されることが多い機能である。
また、OS標準の管理機能ではなく、パソコンやスマートフォンの動作軽量化を目的とするユーティリティソフトやセキュリティソフトなどにもキャッシュデータの削除機能が備わっている場合がある。ソフトによっては、定期的にキャッシュデータの削除を行ったり、キャッシュデータの容量が一定の水準を超えた段階で削除を行うといった自動削除機能を備えており、メンテナンスの簡便化を図っている。ユーティリティソフトに関しては専らディスク容量の確保の目的でキャッシュクリアを行うが、一部ユーティリティソフトやセキュリティソフトに関しては、端末の動作正常化、並びに軽量化の目的で行われるケースも存在する。
迂遠な方法となるが、上記の方法を使わずにキャッシュクリアを手作業で行うことも可能である。具体的には、キャッシュデータが存在するディレクトリを探し出し、内部に存在するキャッシュデータをごみ箱に移して削除する。この方法の利点は「キャッシュデータの中身が何であるかが判別できる場合、削除するキャッシュデータと残すキャッシュデータを取捨選択できる」というものである。上記の方法を利用した場合、キャッシュデータを一律で削除するために、残しておきたいキャッシュデータも削除してしまうリスクがある。しかし、手動で削除する場合は削除すべきキャッシュデータをある程度ふるいにかけることが可能となるのだ。
もっとも、キャッシュデータを取捨選択するメリットに対して、容量の圧迫はあまり解決しない上に、どのキャッシュデータを残すべきかについてはある程度知識が必要となり、実際に中身を確認する手間もかかるため、デメリットに対してメリットが少なすぎる方法と言えよう。ただし、ソフトの動作が不安定でキャッシュクリアすらまともにできない状況であったり、何らかの不具合でキャッシュクリアが上手くいかない場合の最終手段としては、手作業でのキャッシュクリアも十分有効である。もちろん、この時は取捨選択を行わず、キャッシュデータが蓄積されているディレクトリの中身をまるごと削除すれば良い。
総じて、キャッシュクリア方法に関しては、「基本的にはアプリやOSに標準搭載されている機能や、ユーティリティソフトなどのキャッシュクリア機能を利用し、これらが上手くいかない場合の最終手段としてキャッシュデータが入ったディレクトリから直接削除する」という形が一般的と言えるだろう。「特定のキャッシュデータが原因で不具合が発生している」などのよほど特殊なケースでもない限り、キャッシュデータを選択的に削除する意味はあまりないと考えられる。
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