カリスのリスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 02:50 UTC 版)
元々人数は不定であったらしい。ヘーシオドスの『神統記』によれば、美しき水の女神・エウリュノメーの娘たちとしてアグライアー(「輝き (aglaia)」)、エウプロシュネー(「喜び (euphrosyne)」)、タレイア(「花盛り (thaleia)」)の3柱の名があげられており、一般的にはこの「三美神」がよく知られているが、他の叙事詩ではパーシテアー(「万物の女神 (pasithea)」)、カレー(「美女 (kale)」)、アウクソー(「成長 (auxo)」)とヘーゲモネー(「女王 (hegemone)」)、クレーター(「呼ばれる女 (kleta)」)とパエンナー(「輝く女 (phaenna)」)、カリス(「優雅 (Charis)」)などの名が挙げられている。また、ペイトー(「説得 (Peitho)」)もカリスの1柱と言われることがある。 パーシテアーはホメーロスの『イーリアス』に登場することでよく知られており、パーシテアー、カレー、エウプロシュネーの3柱を、ノンノスの『ディオニュソス譚』ではパーシテアー、ペイトー、アグライアーの3柱をカリスたちとする説もある。また、アテーナイではアウクソーとヘーゲモネーの2柱以外にペイトーも加えた3柱を、ラコーニア地方ではクレーターとパエンナーの2柱をカリスたちとしていた。後にラコーニア地方のスパルタではアグライアー、エウプロシュネー、クレーターの3柱を指すようになった。またヘーパイストスの妻をカリスの1柱とする説があり、一般的にはこれはアグライアーであるとされるが、ホメーロスによれば単にカリスという名であるとされており、カレーを指す場合とがある。 明らかとなっているカリスたちは下表参照。最後の5人には古代ギリシアの壺絵に描かれたカリスの名。 カリス古代ギリシア語ラテン語名前の意味アグライアー Αγλαια Aglaia 輝き エウプロシュネーまたはエウティミアー ΕυφροσυνηΕυθυμια EuphrosyneEuthymia 喜び愉快さ タレイアまたはタリアー ΘάλειαΘαλια ThaleiaThalia 花盛り パーシテアー Πασιθεα Pasithea 万物の女神 カレーまたはカレーイス ΚαληΚαλλεις CaleCalleis 美女 カリス Χάρις Charis 優雅 クレーター Κλητα Cleta 呼ばれる女 パエンナー Φαεννα Phaenna 輝く女 アウクソー Αυξω Auxo 成長 ヘーゲモネー Ἡγεμονη Hegemone 女王 ペイトー Πειθώ Peitho 説得 パイディアー Παιδια Paedia 遊ぶ楽しさ パンダイシアー Πανδαισια Pandaesia 宴席 エウダイモニアー Ευδαιμονια Eudaemonia 幸せ パンニューキス Παννυχις Pannychis 祝いの夜 アンテアー Ανθεια Anthea 花咲く
※この「カリスのリスト」の解説は、「カリス」の解説の一部です。
「カリスのリスト」を含む「カリス」の記事については、「カリス」の概要を参照ください。
- カリスのリストのページへのリンク