アメリカ合衆国連邦裁判所とは? わかりやすく解説

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アメリカ合衆国連邦裁判所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/15 04:00 UTC 版)

アメリカ合衆国連邦裁判所(アメリカがっしゅうこくれんぽうさいばんしょ、: United States federal courts)は、アメリカ合衆国における連邦政府司法府であり、合衆国憲法と法律の下で組織された裁判所のシステムである。最高裁判所(連邦最高裁)と各種の下級裁判所(控訴裁判所、地方裁判所等)から成る。


注釈

  1. ^ マーベリー事件は、連邦最高裁が、連邦議会の制定した裁判所法13条の規定を、合衆国憲法3条2項に反し違憲・無効であるとしたもの。
  2. ^ 連邦最高裁が最初に州法に対する違憲審査権があることを示してこれを無効としたのは、1810年のフレッチャー対ペック事件判決 (en:Fletcher v. Peck, 10 U.S. 87 (1810)) であった。丸山 (1990: 32)。
  3. ^ 連邦問題事件については、まず州裁判所で裁判及び上訴の手続を尽くさなければならないとし、一部の事件に限って連邦最高裁に上訴することができるにとどまるとした。田中 (1968: 174)。
  4. ^ なお、§1331の一般的な規定に対して、通商・反トラスト法事件 (28 U.S.C. §1337)、市民的権利に関する事件 (28 U.S.C. §1343) などについてはそれぞれ個別的な管轄規定が設けられている。浅香 (2000: 26-27)。
  5. ^ このほか、控訴裁判所が法律上の問題について最高裁の判断を求める意見確認(サーティフィケーション、certification)の手続がある。28 U.S.C. §1254(2)。
  6. ^ 控訴裁判所からの裁量上訴は、制度上は控訴裁判所の終局判決前であっても可能であるが、実際に許可されることはほとんどない。浅香 (2000: 164)。
  7. ^ 州裁判所の判決に対する連邦最高裁の上訴管轄権は、1789年裁判所法25条によって設けられたものであるが、バージニア州最高裁は、州に係属した事件については連邦最高裁の上訴管轄権は及ばないとして、連邦最高裁の判断に従わなかった。これに対し、連邦最高裁は、1816年の判決で、州の事件についても連邦最高裁の上訴管轄権は及び、裁判所法25条は合憲であると宣言した。Martin v. Hunter's Lessee, 14 U.S. 304 (1816)。刑事事件についてCohens v. Virginia, 19 U.S. 264 (1821)。参照:丸山 (1990: 32)。
  8. ^ 現在残っている権利上訴の制度として、連邦地裁で、制定法上3人の裁判官による合議が必要とされているごく限られた民事訴訟であって、そこで暫定的差止め又は本案の差止めが認容又は棄却された場合に、地方裁判所の判断に対し、連邦最高裁へ直接上訴することができるとの定めがある。28 U.S.C. §1253、浅香 (2000: 164)。
  9. ^ 連邦議会は、もともと倒産裁判所を合衆国憲法1条の権限に基づいて設立する独立の裁判所として構成していたが(1978年法)、1982年の連邦最高裁判決 (Northern Pipeline Constr. Co. v. Marathon Pipeline Co., 458 U.S. 50 (1982)) で権力分立原則との抵触が指摘され、倒産裁判所を憲法3条裁判所である地方裁判所の一部門とするとの立法措置がとられた(1984年法)。Epstein (2007: 33-35)。
  10. ^ 連邦裁判官は巡回区ごと、地区ごとといったポストごとに任命されるため、異なるポストに就くためには新たに指名・任命手続が必要である。ただし日本のようなキャリア・システムをとっていないため、下位の裁判所の裁判官が上位の裁判所の裁判官に任命される例は多くない。フット (2007: 24-25)。
  11. ^ 連邦最高裁では、開廷時以外はカメラの持ち込みや建物内の写真撮影が許されている。
  12. ^ 1955年以降の連邦最高裁の録音をインターネットで公開するオーイェス・プロジェクトが進行している。

出典

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アメリカ合衆国連邦裁判所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/06 21:43 UTC 版)

交差請求」の記事における「アメリカ合衆国連邦裁判所」の解説

連邦民事訴訟規則英語版)に拠ると、この規定Rule 13(g)成文化されている。連邦規則では交差請求は元の法域事項関連がある場合有効である。有効な法域訴訟において提起され事項となる同一取引または事故起因するものか否か判断により決定される交差請求許可する方針効率性一貫性促すのである。さらに、同一基礎となる事実主たる請求上の法的な争点なるだけではなく法体系上の効率性保証する交差請求の上でも論じられることとなる。この法体系上の効率性は、法廷個々請求それぞれの執行試み、かつ、同一事実法的に論ずることに反対する当事者の間から提起され複数請求解消することによってなされる加えて、このことは裁判過程における公共認識に害を与え可能性のある一貫性のない評決下されるのを防ぐ。結果として交差請求義務ではないので、申立当事者moving party)に後日提訴する機会与える。原告申立における第一提起者となり交差請求上これも有効である。

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