アビリティの成り立ち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 02:50 UTC 版)
「ファイナルファンタジーのアビリティシステム」の記事における「アビリティの成り立ち」の解説
アビリティ(ability)という語が「能力」「才能」と和訳されるように、元々はコンピュータRPGに登場するジョブ(職業)毎の固有の能力および戦闘コマンドから発展した名称である。ファイナルファンタジーシリーズ以前のものとしては、『ウィザードリィ』の僧侶(priest)・ビショップ(bishop)・ロード(lord)が使用可能なディスペル(ターンアンデッド)、ビショップ(bishop)によるアイテムの鑑定、盗賊(thief)の罠解除などがアビリティの一例として挙げられる(ただし、『ウィザードリィ』の作品中においてこれらを「アビリティ」と総称していたわけではない)。 ファイナルファンタジーシリーズにおいて、『ファイナルファンタジーII』までの戦闘コマンドは「戦う」「魔法」「逃げる」「アイテム」など、プレイヤーキャラクター共通のもののみであった。だが、『ファイナルファンタジーIII』の各ジョブの使用可能な戦闘コマンドには竜騎士の「ジャンプ」、空手家の「ためる」など、それぞれ個性的なものが多く含まれていた。また、戦闘コマンドではないものの、ナイトが瀕死の味方を自動的に「かばう」など特有の能力も『ファイナルファンタジーIII』において導入された。前述したように「アビリティ」自体はファイナルファンタジーシリーズが始祖というわけではないが、当時、とくに家庭用ゲーム機のRPGにおいてはプレイヤーキャラクターがこうした多種多様なアビリティを持つことは珍しいものであった。なお、次作の『ファイナルファンタジーIV』ではジョブこそ固定ではあったが、さらにバリエーションに富んだ新しい「アビリティ」を持つキャラクターが多く登場している。ただし、『ファイナルファンタジーIV』の時点ではこれらのコマンドおよび特性はまだ「アビリティ」とは呼ばれておらず、「ちから」や「すばやさ」などの各パラメーターを指すものとして「アビリティー」という言葉が使われていた。
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