三省堂 大辞林 |
にんぎょう ―ぎやう 0 【人形】
「わら―」「フランス―」
(2)人の形を絵にかいたもの。ひとがた。
(3)自分の意志では動けず他人の思うままに動かされる人のたとえ。
(4)「人形仕立て」の略。
ひとがた 0 【人形/人▽像】
(1)人の形。また、人の形に似せて作ったもの。にんぎょう。
「―をも作り、絵にも書きとめて/源氏(宿木)」
(2)「形代(かたしろ)」に同じ。
(3)人相。人相書き。
「尋ね出せば褒美の金を貰ふといひ、権八が―を返せ戻せとおつしやるは/歌舞伎・吾嬬鑑」
映画情報 |
にんぎょう
| 原題: | |
| 製作国: | 日本 |
| 製作年: | 1992 |
| 配給: |
| スタッフ | |
| 監督: | 松川八洲雄 マツカワヤスオ |
| 製作: | 宮下英一 ミヤシタエイイチ |
| 脚本: | 松川八洲雄 マツカワヤスオ |
| 北村哲郎 キタムラテツロウ | |
| 企画: | ポーラ伝統文化振興財団 |
| 撮影: | 小林治 コバヤシオサム |
| 音楽: | 間宮芳生 マミヤミチオ |
| スクリプター: | 北村哲郎 キタムラテツロウ |
| 助監督: | 日向寺太郎 |
| 照明: | 前田基男 マエダ |
| キャスト(役名) |
| 解説 |
| 縄文時代の土偶から江戸時代の文楽人形まで人形の歴史を追いながら、日本人形と女性文化との関わりを描くドキュメンタリー。脚本・監督は松川八洲雄。人間が土器と一緒に何げなく作った土のひとがたを焼き、人形が生まれた。天児(あまがつ)や這子(ほうこ)、女の子の成長を願う雛人形、京都で生まれた御所人形。そして江戸時代の爛熟した文化は、首を振る童子や文楽人形など動く人形を作り出した。また京都文明の産物である人形は日本全国に行き渡り、その着物に都の情報を伝えた。京都の宝鏡寺には700年前の人形が残されている。さらに映画では人形作者の石川潤平、こけし人形作者の小椋久太郎、桐塑人形の作者、市橋とし子と衣裳人形の作者、野口園生を紹介しつつ、「日本人にとって人形とは何か」を考えている。 |
| ストーリー※ストーリーの結末まで記載されていますので、ご注意ください |
物語要素事典 |
人形
★1.人形が人間になる。
『くるみ割り人形』(チャイコフスキー) クリスマス・イヴの夜更け、くるみ割り人形は少女クララの援助を得て、鼠の王を打ち倒す。その瞬間、大きな口で変な顔だったくるみ割り人形は、美しい王子に変身する。王子は「助けてくれたお礼に」と言って、クララを雪の国とお菓子の国へ連れて行く〔*翌朝クララが目覚めると、くるみ割り人形が昨夜と同じ大きな口で、横に寝ていた〕。
『ピノキオ』(コローディ) 怠け者の人形ピノキオは学校の勉強を嫌い、金貨が木になるという「ふしぎな原っぱ」や、遊んで暮らせる「のらくらの国」へ行く。遊んでいるうちピノキオはロバになり、サーカスに売られるが、海に沈められて再び人形に戻る。やがてピノキオはジェペット爺さんと再会し(*→〔魚〕3b)、以後は働き者になって、最後には人間になることができた。
★2.人間そっくりの人形。人形を人間に見誤ったり、逆に、人間を人形に見誤ったりする。
『瓜盗人』(狂言) 夜、瓜盗人が案山子を番人と見間違え、許しを請うが、やがて案山子と気づき、瓜をたくさん取って去る。翌晩、畑主が案山子の恰好をして立ち、これを作り物と思って油断している瓜盗人を捕らえるので、瓜盗人は驚いて逃げる。
『コッペリア』(ドリーブ) 青年フランツは、二階家の窓辺で読書する少女に心ひかれるが、それは人間ではなく、老コッペリウスが作った人形コッペリアだった。老コッペリウスがフランツの生命を抜き取ってコッペリアに吹きこもうとするので、フランツの恋人スワニルダが、コッペリアの服を着て踊る。それを見た老コッペリウスは、「人形のコッペリアに生命が宿った」と思って喜ぶ。
『砂男』(ホフマン) スパランツァーニ教授が二十年苦心して、ぜんまい仕掛けの自動人形オリンピアを作る。砂男コッポラの奸計で、ナタニエルはオリンピアを人間と思い結婚を申しこむが、オリンピアが木の人形であると知って乱心する。後にナタニエルは、恋人クララを人形と思いこんで高塔から彼女を突き落とそうとし、遂には自ら身を投げて死ぬ。
『ホフマン物語』(オッフェンバック)第1幕 スパランツァーニ博士の依頼で、コッペリウスが人形オリンピアを造る。詩人ホフマンが美しいオリンピアを見て恋に落ち、彼女とワルツを踊る。コッペリウスは、人形製作の代金として博士から小切手を受け取るが、それが不渡りだったことに怒り、オリンピアを壊す。ホフマンは、オリンピアが人形だったと知って、呆然となる。
『列子』「湯問」第5 偃師が造った役者の人形は、見た目も動きも人間そっくりだった。人形は穆王の前で歌舞をしたが、女たちに色目を使ったので穆王は怒った。偃師は人形をバラバラに分解し、筋肉・内臓・骨格がすべて革や木でできていることを示した。
『あきみち』(御伽草子) 盗賊金山八郎左衛門は、隠れ家の岩穴に入る前に、用心のため身代わりの人形を先にさし入れる。あきみちは、父の仇である金山八郎左衛門を討つべく待ち伏せしており、人形に斬りかかろうとする。その時、虚空から三百人余の声が「待て」と叫ぶので(*→〔口封じ〕1)、あきみちは思いとどまる〔*金山八郎左衛門は安心して岩穴に入り、あきみちに討たれる〕。
『空き家の冒険』(ドイル) ライヘンバハの滝でホームズとモリアティ教授が格闘し、教授は滝壺に落ちてホームズは生還する。ホームズはベーカー街の自室に戻り、自分そっくりの蝋人形を窓辺に置く。ハドソン夫人が十五分に一回、蝋人形を動かす。道を隔てた空き家から、モリアティ教授の仲間が蝋人形を狙撃するところを、ホームズとワトソンが捕らえる。
『カリガリ博士』(ウイーネ) カリガリ博士は夢遊病者ツェザーレをあやつって連続殺人を犯させる。その間、博士は、ツェザーレそっくりの人形を箱に入れ部屋に置いて、犯行時間にはツェザーレは眠っていたように見せかけ、アリバイ作りをする。
『日本書紀』巻9神功皇后摂政5年3月 新羅の使者が、日本に人質になっているミシコチを船で脱出させた。そして茅で人形を作り、ミシコチの床に置いて、彼が病気で臥しているように見せかけた。
『ペンタメローネ』(バジーレ)第3日第4話 王子が、娘から何度も冷たくあしらわれて怒り、ベッドの中の娘を短剣で刺す。短剣についた血を王子がなめると、甘い味がする。ベッドに寝ていたのは砂糖を固めた人形であり、娘は王子に許しを請い二人は結婚する。
★4.男が、美女の人形と夜をともにする。
『広異記』「花嫁人形」 盧(ろ)という男が、陶製の花嫁人形を愛蔵していた。妻が冗談に「お妾さんになさるといいわ」と言う。以来、盧は魂が抜けたようになり、「毎晩、女が寝床へ入ってくる」と言う。盧夫婦は人形を寺に預け、供養してもらう。すると寺に怪しい女が現れ、「私は盧様の妾です。奥様に追い出されました」と言う。盧は花嫁人形を叩き壊す。人形の心臓部分には、鶏卵大の血塊があった。
『人でなしの恋』(江戸川乱歩) 十九歳の「私(京子)」は、門野(かどの)という美青年のもとへ嫁ぐ。夫は新婚当初は「私」をかわいがってくれたが、まもなく、夜ごと一人で土蔵にこもるようになった。夫は土蔵の二階で、身のたけ三尺余りの美少女の京人形と、恋を語っていたのだ。「私」は嫉妬して、人形を引きちぎり叩きこわす。それを知った夫は、人形を抱いて刀で自殺する。
★5a.人形に魂が入って動き出す。
『好色一代女』巻3「わざわひの寛濶女」 奥方が、殿寵愛の美女そっくりの人形を作り、「悋気講(りんきこう)」と称して、女中たちと一緒にその人形を突きころばすなどして責めさいなむ。すると人形は眼を開き、座中を見回し立ち上がって、奥方の着物の褄に取りついた。奥方はその後病気になったので、この人形の怨念だとして、人形を焼き捨てた。
『ペトルーシュカ』(ストラヴィンスキー) あやつり人形の道化師ペトルーシュカには、魂が宿っていた。ペトルーシュカはバレリーナの人形に恋するが、ムーア人の人形の三日月刀で突き殺される。壊れて動かなくなった人形のペトルーシュカを、人形遣いの親方が見世物小屋へ運ぶ。その時、小屋の屋根の上にペトルーシュカの幽霊が現れて、踊る。親方は、魂の抜け殻である人形と、屋根の上の幽霊を見比べて、震え上がる。
『江談抄』第3-6 菅原家の本姓は土師氏である。昔、帝王を陵墓に葬る時必ず人を一緒に埋めたが、土師氏は土の人形をその代わりにした。これは国家のためには不忠であるので、菅原家の人々は官位が低い。
『日本書紀』巻6垂仁天皇32年7月 日葉酢媛命が薨じた時、陵墓に生きた人を埋めることを止め、代わりに埴輪を立てた。
★7.人形の中に物を隠す。
『暗くなるまで待って』(ヤング) 麻薬の包みを人形の中に縫いこみ、女がその人形を持って、飛行機でカナダからアメリカへ渡る。しかし空港で何者かにねらわれていることを察知し、女は、飛行機に乗り合わせた写真家サムに人形を預け、「後日取りに行くから」と言って別れる。サムは人形の中身が麻薬とは知らず、人形を自宅へ持ち帰って盲目の妻スージーに渡す→〔闇〕4。
隠語大辞典 |
人形
人形
固有名詞の分類
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