『空へ ―エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか』とは? わかりやすく解説

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『空へ ―エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/16 07:18 UTC 版)

ジョン・クラカワー」の記事における「『空へ ―エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか』」の解説

原題:Into Thin Air1997年出版1996年アウトサイド誌での記事をさらに掘り下げて書いた、クラカワーの最も有名な著書登山隊での体験や、当時エベレスト登頂に関する一般的状況描かれている。クラカワーは雑誌記者として雇われ1996年ロブ・ホール率いエベレスト登頂隊に顧客として加わったが、1996年エベレスト大量遭難という多数死傷者を出す結果となった本書ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストノンフィクション部門第一位となり、タイム誌のブック・オブ・ザ・イヤーを受賞したまた、1998年ピュリッツァー賞一般ノンフィクション部門最終候補3作品入選した1999年アメリカ芸術文学アカデミー文学賞授与理由の中で「ジョン・クラカワー調査報道がもつ執念深さ勇敢さという素晴らし流儀に、天性作家がもつスタイリッシュな機微と深い洞察併せ持つエベレスト登頂についての記述は、登山と、かつてロマンチック孤独だったそのスポーツ商業化対す再評価繋がった」と本書評した。 クラカワーは亡くなったメンバーへの弔いとして、本書印税から「エベレスト98年メモリアルファンド」を立ち上げ様々なチャリティ団体寄付行っている。 本書テレビ映画化されクリストファー・マクドナルドがクラカワー役を演じた2015年には同事故を扱った映画バルタザール・コルマウクル監督により『エベレスト 3D』として映画化された。この映画ではマイケル・ケリーがクラカワー役を演じた。クラカワーはこの映画対し一部架空であり中傷的だと非難したまた、ソニー本書映画化権早々売却してしまったことも後悔していると述べた一方、コルマウクル監督は、クラカワー一人視点である本書映画制作資料になっておらず、そのためにストーリー異なると語った本書の中でクラカワーは、ロシア系カザフスタン人でスコット・フィッシャー隊のトップガイドを務めたアナトリ・ブクレーエフが無酸素登頂していたことについて「とても顧客ためになるとは思えない」と述べている。また、ブクレーエフが顧客よりも数時間早く山頂から下山したことを「ガイドとして極めて異常な行動」と述べた。しかし一方でトップキャンプまで下山してからは、遭難者救助しようと休みなく働いたブクレーエフは英雄的だったとした。 『空へ』が出版された5ヶ月後、ブクレーエフ自身事故についてG・ウェストン・デウォルトと共著書いたデス・ゾーン8848M』が出版されると、ブクレーエフの行動に関してベテラン登山家の間から異論上がった。ゲイラン・ローウェルはアメリカン・アルペン・ジャーナルでの同書書評において、ブクレーエフの隊は全員生還し死傷者出たのはクラカワーらの隊からだったと指摘した他、ウォール・ストリート・ジャーナル記事でも、クラカワーの描写矛盾点挙げ、ブクレーエフの英雄的救助活動落ち度はなかったとブクレーエフを擁護した。 『空へ』と『デス・ゾーン8848M』の出版以降、デウォルト、ブクレーエフとクラカワーは、クラカワーによるブクレーエフの描写に関して反目することとなった1997年11月両者反目状態を解いたが、ブクレーエフはそのわずか数週間後、ヒマラヤ山脈アンナプルナ登山中に雪崩命を落とした

※この「『空へ ―エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか』」の解説は、「ジョン・クラカワー」の解説の一部です。
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