《見させていただく》の敬語
「見させていただく」の敬語表現
「見させていただきます」が「見させていただく」の敬語表現です。「見る」の未然形「見させる」に「～をしてもらう」という意味の補助動詞「いただく」と、丁寧語「ます」を加えて表現します。補助動詞の「いただく」は「ご（お）～いただく」という形式をとります。補助動詞の「いただく」は、動詞「～」の後に加えて動詞に補助的な役割をする、謙譲語として使われます。謙譲表現の「見させていただく」は目上の人が自分に依頼してきたときの反応として、自分の立場をさげて相手の立場に敬意を払うときに使います。ちなみに接頭辞「お（ご）」敬語は、文章に対して尊敬語・謙譲語と・丁寧語に変化するので注意しましょう。「見させていただく」の敬語の最上級の表現
「見させていただきます」の最上級の表現は「見させていただきたく存じます」です。「見させていただきたく存じます」は2重敬語になりません。2重敬語とは、同種類の敬語を1つの言葉に対し重ねて使うことです。「見させていただきたく存じます」は「～させてもらう」の謙譲語である「いただく」と「思う」の謙譲語である「存じる」を組み合わせて表現しているので、それぞれ違った意味の謙譲語を使ってます。「見させていただきたく存じます」は「見させていただきます」よりも1つ謙譲語が多いので、より丁寧な表現になります。「見させていただく」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
ビジネスメールでの具体例は以下です。「Aの資料を見させていただきました」と表現します。「見させていただきます」は、目上の人から目を通しておくよう指示された資料を見たときに返答として使います。次に「研修用の動画はすべて見させていただきました」と表現します。研修の進み具合を報告する場合も、目上の人から指示されて動画を見ているので「見させていただきました」が適切です。
手紙における「見させていただきます」の具定例は以下です。
退職規定（PCデータ内のデータは消去すること）を守らずに辞めてまった目上の人がいます。電話やメールなどでは、目上の人と連絡がつかないとなった場合に手紙などの通知を行います。
「○○年○○月○○日までに、ご連絡いただけない場合は、△△月△△日（退職日）まで使用していた、貸与PC○○番のデータを見させていただきたく存じます」
連絡期限やPCの識別番号を明記することによって、相手（上司）にパソコンのデータを見させてもらう旨を伝えます。
「見させていただく」を上司に伝える際の敬語表現
「見させていただきます」を上司に伝える際の表現は以下です。「もう一度資料を、見させていただきたく存じます」と表現します。上司に資料をもう一度見てほしいと、頼まれたときの返答で使います。2つの謙譲語「いただく」と「存じる」に丁寧語「ます」をつけて「～させてほしいと思います」と、願望を相手に伝えます。2つの謙譲語でよりへりくだっているので、使う相手は上司やかなり目上の人に対して使います。
また、相手は上司なので「大変恐縮ですが、もう一度資料を、見させていただきたく存じます」と表現します。上司に気を使うためにクッション言葉の「大変恐縮ですが」を先に入れて、文全体をやわらかい表現にします。上司のミスで2度も資料を見ないといけないというのが立場の自分です。クッション言葉（大変恐縮ですがなど）をいれて「見させていただきたく存じます」と自分がいうへりくだる表現は、上司の気持ちを安堵させる効果があります。
「見させていただく」の敬語での誤用表現・注意事項
「見させていただきます」の誤用表現は以下です。目上の人から前もって渡された資料を、「確認したか」尋ねられたときの返答するとき、「（渡された資料を）見せていただきました」は間違いです。「見せていただく」は自分の渡した資料を、目上の人に見てもらうときに使います。「（渡された資料を）見させていただきました。大変勉強になりました」が適切です。「見させていただく」は目上の人のものを、見せてもらうというときに使います。「見せていただく」は自分の資料を、見てもらうときに使います。「見させていただく」は上司から渡された資料を見させてもらうときに使うもので、反対の表現になることが多いので注意しましょう。
また、「見させて頂く」はメールや文章でよくある間違いです。「頂く」は「もらう」の謙譲語としてつかわれます。補助動詞で「頂く」を使うと表記ミスになります。「頂く」を補助的に使っていることを示すためにひらがな表記で「いただく」を使いましょう。
「見させていただく」の敬語での言い換え表現
「見させていただきます」の言い換え表現は以下です。「もう一度、Xファイルを見る権限を頂けませんか」と表現します。「見させていただく」の補助動詞の「～させていただく」を、漢字表記の「頂く」を謙譲の動詞として使えば言い換え可能です。
次に「頼まれていた資料を拝見しました」は「見る」をへりくだると「拝見する」になるので、「見させていただく」の言い換え表現になります。ちなみに、「拝見させていただく」はよく使われますがが間違いです。「拝見させていただく」は「拝見しました」で「見る」の謙譲語である「拝見する」と「する」の謙譲語である「いたす」を使います。「拝見させていただく」は同種類の敬語を同じ言葉に対して使っているので2重敬語になります。
- 《見させていただく》の敬語のページへのリンク
