《作務衣》の正しい読み方
「作務衣」の正しい読み方
「作務衣」は「さむえ」と読むのが正しい読み方である。「さむい」と読んでしまわないように注意したい。「衣」という語は「ころも」「え」「い」と読めるが、作務衣の場合の「衣」は「え」と読む。こうした読み方は「衣紋」(えもん)や「法衣」(ほうえ)、「浄衣」(じょうえ)などと同じ読みになる。「作務」に関しては、「さくむ」と読むと間違いになる。「作用」(さよう)や「作業」(さぎょう)と同じく「さく」ではなく「さ」と読むのが正しい。「作務衣」の意味解説
「作務衣」とは、寺院での作業着という意味合いがある。さらに具体的に絞って言うなら、禅宗寺院での僧の作業着のことである。禅宗寺院において、寺院の僧侶が日々修行の一環として行う清掃などの労務は作務(さむ)と呼ばれる。そしてその作務の際に着用する衣服が、作務衣なのである。しかしながら現在では、特に僧侶のみが着るとは限らない。例えば飲食店で焼き鳥屋や居酒屋のスタッフが作務衣を着て働く姿もよく見かける。一般の主婦が作務衣を着て、庭掃除をしていることもある。現在では作業着という意味合いも強くなっている。なぜ「作務衣」と読むのか・理由
作務衣は「作務」と「衣」の2つの語が合わさってできた語である。そもそも本来、衣の旧仮名は「ゑ」だと言われている。しかし現代日本語では「ゑ」というひらがなは廃止になり、すべて「え」になっている。「衣」の仮名表記は今も昔も変わらず「え」であり、それゆえに「さむえ」と読むという説もある。作務衣は作務をするときの衣のことなので、「作務」に関してはそのまま「さむ」と読むのが自然である。「作務衣」の類語・用例・例文
「作務衣」の類語には、僧衣(そうい)や法衣(ほうえ)、作業着(さぎょうぎ)などが挙げられる。僧衣とは僧の着る衣服全般を表す語で、作務衣も含むと言える。法衣は僧侶や尼が着用する衣服である。法衣の場合は作業着というより、お勤めをするときに着る服という意味合いがやや強い。また本来僧侶が着る袈裟の下に着る下着のようなものを法衣と呼ぶこともある。一方で作業着に関しては、特に僧侶を限定とはしない。僧でなくとも一般市民やほかの職業の人でも、作業をするときに着る服は作業着と呼ぶ。例文・「作務衣を着た僧侶が毎朝早朝から庭の掃き掃除をしている」・「巫女が着るような作務衣が欲しくて、衣服店に探しに行った」・「僧衣を身にまとうと身が引き締まり、修行に集中できる」・「法衣の裾を引きずりながら歩く尼の姿がそこにはあった」・「この仕事は服が汚れる可能性が高いので、動きやすく汚れてもかまわない作業着を着用するほうが安心である」「作務衣」の英語用例・例文
「作務衣」は英語では、「monk's working clothes」というように表すことが多い。「monk」とは修道憎や修道士など僧を表す語だ。「working」は労働や働く、作業用のといった意味がある。「clothes」は衣類や着物、つまり作務衣とは僧侶が着る作業用の着物という意味合いから「monk's working clothes」と表現される。例文・He always wears monk's working clothes and is very serious.(彼はいつも作務衣を着て、とても真面目である)・To have kitchen workers wear clean monk's working clothes.(調理スタッフには、綺麗な作務衣を着用してもらう必要がある)- 《作務衣》の正しい読み方のページへのリンク