じゃあまん探偵団 魔隣組
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 22:58 UTC 版)
あらすじ
江南小学校の5年生の仲良し5人組は、ドイツの潜水艦Uボートを発見し、そこを拠点にじゃあまん探偵団「魔隣組」を結成する。魔隣組は世紀の大怪盗ジゴマを倒すために、ジゴマ探知機(ジゴマが近づくと反応する)などの様々な秘密兵器を使いジゴマを追いかける。
解説
前作『おもいっきり探偵団 覇悪怒組』のヒットを受けて製作された少年探偵団シリーズ第2弾[1][2]。メインライターが大原清秀になったこともあり、前作よりもシュールさとファンタジーを前面に出し[3]、また、謎の転校生である雨宮なども作品に独特の面白さを加えている[注釈 1]。バンダイから発売された「ジゴマ探知機」などの関連商品も好評だった。
1989年1月1日には、前作『おもいっきり探偵団 覇悪怒組』の面々と共演する『魔隣組対覇悪怒組』が放送された[1][5]。
日笠淳がサブプロデューサーとしてメタルヒーローシリーズから移動し、最終作の『有言実行三姉妹シュシュトリアン』までシリーズに関わることになったほか、60年代後半からヒーローものに一貫して携わった平山亨の東映における最後のプロデュース作品でもある[2]。
江川ノボル役の伊藤慎はのちに平成仮面ライダーシリーズなどのスーツアクターとして知られており、本作品は子役時代の伊藤が出演していた番組として紹介されることもある[6]。
主な登場人物
魔隣組
名前の由来はドイツ語のジャーマンと「邪魔者」をかけて「悪者を邪魔する」、「潜水艦を基地としている」ことから[7]。
- 辻 タカシ
- 魔隣組のリーダー。辻刑事の息子。勉強は苦手。
- 田 トシカズ
- 歯医者の息子。ぽっちゃり体形。メカ好き。
- 江川 ノボル
- 寿司屋の息子。スポーツ万能。
- 後藤 ゲンタ
- 父はサラリーマン。物知り。メガネがトレードマーク。
- 古矢 カオリ
- 魔隣組の紅一点。母親は美容院を経営。少林寺拳法は初段。ちょっぴりお転婆。
大怪盗ジゴマ
白と黒のコスチュームに身を包んだ大泥棒。フルネームはフリードリッヒ・シュトロンハイム・フォン・ジゴマIII世[8]。出自・出生・性別その他全てが謎に包まれている。正々堂々とした華麗な盗みを信条とし、卑怯な振る舞いを嫌う。そのため悪辣な犯罪者と戦ったり、傷を負うのを承知で魔隣組を助けたこともある。
- ジゴマの原型は、明治時代最後期から大正時代にかけて日本で上映された無声映画『怪盗ジゴマ』からである(ただしこちらのジゴマは殺人などの凶悪な手段も平気で行う点で、本作品のジゴマと異なっている)。ジゴマのコスチュームは皮膚に密着した全身タイツタイプである。
魔隣組の家族
- 辻 雄一
- タカシの伯父。斜六郎というペンネームの推理作家で、魔隣組に協力をすることがある。通称:シャーロックおじさん[7]。推理作家になる前はハイテクの分野で天才科学者と言われていたという。劇中で「ジゴマの正体はではないか?」という指摘が何度かなされているが、明確な答えは出さずに視聴者の想像に任せる形で物語は完結している[9]。
- 辻 雄二
- タカシの父で雄一の弟。ジゴマを追う刑事。
- 辻 春江
- タカシの母。
- 田 敏夫
- トシカズの父。田歯科を経営。
- 田 和子
- トシカズの母。
- 江川 誠
- ノボルの父。千両すしの店主。
- 江川 京子
- ノボルの母。
- 後藤 靖邦
- ゲンタの父。サラリーマン。
- 後藤 花恵
- ゲンタの母。
- 古矢 道子
- カオリの母。美容院を経営。
その他
- 雨宮 タロウ
- ドイツからやってきた謎の転校生。透視能力を持つ。
- 篠塚先生
- 江南小学校の教師。魔隣組がいるクラスの担任。
- 由美
- シャーロックおじさん行きつけの喫茶店「ベイカー街」の店員。
魔隣組アイテム
- ジゴマ探知機(探知機)
- メタルソナー(金属探知機)[注釈 2]
- オトタンサー(集音器)[注釈 2]
- マリンシーバー(トランシーバー)[注釈 2]
- レディオスコープ(ラジオ&双眼鏡)[注釈 2]
- 探偵手帳(秘密手帳)
- マリンコマンダー(万能捜査メカ)
- コンパス、望遠鏡、潜望鏡、ホイッスル、ミニライト、ルーペ、風向計、風力計、メジャー、追跡信号を発射できるシグナル銃
- ジャーマンDJ(ラジカセ)
これらのいくつかは玩具化され発売されている。ジゴマ探知機にはテレビ画面の点滅に反応するテレビパワー機能が搭載されていた[5]。
注釈
出典
- ^ a b 全怪獣怪人 下 1990, p. 408
- ^ a b 「ヒーローファイル じゃあまん探偵団 魔隣組」『甦る!石ノ森ヒーローファイル』Gakken〈Gakken Mook〉、2013年9月10日、88-89頁。ISBN 978-4-05-610166-9。
- ^ 特撮全史 2020, p. 42, 「じゃあまん探偵団 魔隣組」
- ^ 「スーパー戦隊制作の裏舞台 浦沢義雄」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀』《1996 激走戦隊カーレンジャー》講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2018年8月9日、32頁。ISBN 978-4-06-509607-9。
- ^ a b 常識 2013, p. 151.
- ^ 常識 2013, pp. 134–135.
- ^ a b c 常識 2013, pp. 132–133, 「魔隣組の秘密基地はどこにあるの?」
- ^ 全怪獣怪人 下 1990, p. 409.
- ^ 常識 2013, p. 133.
- ^ 「スーパー戦隊制作の裏舞台 辻野正人」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀』《1998 星獣戦隊ギンガマン》講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2019年2月8日、33頁。ISBN 978-4-06-513647-8。
- ^ 『北海道新聞』(縮刷版) 1988年(昭和63年)1月 - 12月、テレビ欄。
- ^ a b c d e f g h i j k l 「全国縦断放映リスト」『アニメージュ』1989年3月号、徳間書店、127頁。
- ^ 『北國新聞』1988年4月16日付朝刊、テレビ欄。
固有名詞の分類
- じゃあまん探偵団 魔隣組のページへのリンク