IruCa
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 17:06 UTC 版)
114SalutCa
114SalutCa(ひゃくじゅうしサリュカ)は、百十四銀行が2012年1月24日から取り扱いを開始したカードで、自行のキャッシュカードとクレジットカード(JCBまたはVISA[30])、カードローン(オプション扱い)、IruCa機能を一体化した一体型カードで、IruCa機能がないタイプや、クレジットカード単体型カードも取り扱っている。
キャッシュカードとしては、百十四銀行のATMの時間外・休日利用手数料が無料となり、クレジットカード年会費が初年度は無料、2年目以降は一定の条件[31]を満たしていれば無料となる。
IruCaとしての取り扱いは、記名式フリーIruCaと同じ取り扱いとなり、現金チャージのみしか方法がない[32]。 オートチャージやチャージ機でのクレジットチャージ等、SalutCaクレジット・キャッシュカード機能との連携は一切考慮されていないので注意が必要である。
他事業者との共通利用
IruCa導入に先立つ2002年2月25日、高松琴平電気鉄道、伊予鉄道、土佐電気鉄道(現・とさでん交通)、JR四国の4社は、各社で使用できる「四国共通カード」(仮称)を、2014年を目処に導入することで合意した[33][34]。JRを除く各社は、当社のほかICい〜カード(伊予鉄道)、ですか(土佐電気鉄道)と2009年までにICカード乗車券の導入を完了した。しかし、共通カード化に向けた動きは伝えられていない。JR四国は2010年に就任した泉雅文社長の就任決定時の記者会見で、将来的にICカードの導入を進めたい考えを示し、「4 - 5年程度でセットしないといけないだろう」と述べた[35][36]が、共通カード化については言及しなかった。IruCaの相互利用に関しては2011年に「まず、香川県限定でJRと相互利用できないか検討中」とコメントがあった[37]。その後、2012年3月17日より高松駅・坂出駅に限りICOCAが導入された。2012年7月30日にJR四国はJR西日本とともに、2014年春以降、予讃線の一部と瀬戸大橋線へICOCAを導入すると発表し[38]、2014年3月より香川県内で運用を開始した。JR四国は独自のICカードは導入した場合、JR西日本との相互利用が難しくなる点やICカードの導入コストを抑制するためJR西日本のICOCAを導入することで決着した。ただしJR四国の駅で発売するICOCAは独自デザインとなる[39]。
JR四国のICOCA導入発表後に、IruCaを含めた四国の他のICカード乗車券との相互利用についての見解は表明されていなかった。なお、IruCa(およびICOCA)がサイバネ規格を採用しているのに対し、ですかやICい~カードは非サイバネ規格であるため、現在のカードでは短期的な共通化は困難との指摘がある[40]。
国土交通省は2015年7月15日に公表した「交通系ICカードの普及・利便性拡大に向けた検討会 とりまとめ」の中で、IruCaを含む(相互利用対象外となっている)「地域独自カード」について、全国相互利用可能となっている10カードの「片利用共通接続システム」を構築することで、相互利用可能10カードを独自カード導入交通機関で利用可能にすることを検討するとしていた[41]。
2017年3月4日付の四国新聞[42]によると、2017年度中を目処に、SuicaやICOCAなど、交通系ICカード全国相互利用サービスで使えるICカードを、琴電の電車全路線で使えるようにするとの報道があり、9月28日にはJR側からも正式発表が行われた[43]。相互利用ICカード使用のための事業費は約8億3700万円で、1/3を国の助成で賄い、香川県および沿線自治体(3市4町)も支援を拠出する[44]。
2018年1月22日、琴電における全国相互利用サービス対象のICカードの通用を同年3月3日に開始すると発表され[45]、予告通り3月3日より導入された。
また、将来は相互利用サービス対象ICカードの利用範囲を、ことでんバスが運行する高松空港リムジンバス等に拡大することも検討すると報じられていた[44]が、2019年3月2日からはことでんバス全線(高松空港リムジンバス含む)にも全国相互利用サービス対象のICカードの通用が開始されている[21]。
なお、共通利用開始後も片利用のみでIruCaは他社線では利用できず、一方全国相互利用サービス対象ICカードではIruCaを導入している大川バス・コミュニティバス等のバス路線やIruCa用電子マネー端末の利用はできない[45]。また、IruCaの各種割引も相互利用の他ICカードでは適用されない[44]。
脚注
- ^ 2駅にICカード改札asahi.com 2011年8月31日
- ^ a b 中島浩貴、成瀬友晃「高松琴平電気鉄道(株)向けICカードシステム」(PDF)『東芝レビュー』第60巻、2005年5月、46-49頁。
- ^ “ICカード「IruCa」と、これまでの乗車券について”. 高松琴平電気鉄道. 2022年1月28日閲覧。
- ^ 小豆島オリーブバスにIruCaを導入 高松琴平電気鉄道 2010年12月1日 (PDF)
- ^ 大川バスも「イルカ」/利用回数で最大4割引 - 四国新聞2012年3月17日
- ^ これにより、IruCaが徳島県で利用できる路線、および徳島県内でIC乗車券を利用できる鉄道・バス路線がなくなった。なお、厳密には大川バス五名福栄線の終点、境目バス停が香川・徳島県境付近に存在するが、隣接のバス停が香川県側のため、利用するには必ず香川県へまたぐ必要がある。
- ^ IruCa(イルカ)の利用について - 高松市立駐車場等管理企業体
- ^ 『ICカード乗車券「IruCa」について』(プレスリリース)高松琴平電気鉄道、2004年10月25日 。2022年1月28日閲覧。
- ^ IruCaを利用したALSOK出入管理サービスを開始 2007.12.13 ALSOK(綜合警備保障)ニュースリリース
- ^ 来年度から学生証IC化、IruCa活用へ-香川大 四国新聞2008年4月27日。
- ^ ことでんとの提携により東芝ファイナンスがIruCa加盟店募集を開始 (PDF) 東芝ファイナンス2010年8月18日付ニュースリリース
- ^ 高松市レンタサイクル新システムの概要 - 高松市役所 (PDF)
- ^ サイクルIruCa販売について - ことでんグループウェブサイト
- ^ 小豆島~高松航路にてIruCaがご利用いただけるようになりました。 - 高松琴平電気鉄道2011年10月1日
- ^ 銀行本体発行クレジットカード 「114SalutCa(サリュカ)」の取扱開始について - 百十四銀行 お知らせ・トピックス(2012年1月24日)
- ^ IruCa10周年記念カード/3月3日に3種類販売 - 四国新聞2015年1月30日
- ^ 10周年記念IruCa/999枚8分で売り切れ - 四国新聞2015年3月4日
- ^ a b 高松観光IruCa販売開始のお知らせ - 高松琴平電気鉄道
- ^ a b “綾川町でゴールドIruCa開始/琴電と連携、70歳以上の運賃半額 | BUSINESS LIVE”. 四国新聞. (2017年10月1日) 2018年11月30日閲覧。
- ^ 交通系ICカード乗車券の全国相互利用サービスエリア拡大について - ことでんグループ
- ^ a b 『IruCaエリアにおける交通系ICカードの全国相互利用サービスエリア拡大について』(プレスリリース)高松琴平電気鉄道株式会社、ことでんバス株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、2019年2月1日 。2019年2月3日閲覧。
- ^ “IruCa<イルカ>の種類”. ことでんグループ. 2022年1月28日閲覧。
- ^ ゴールドIruCa発行一時見合わせ/希望者殺到 - 四国新聞2014年10月7日
- ^ 70歳以上対象の「イルカ」/8日から発行再開 - 四国新聞2014年12月1日
- ^ 休止までの徳島西部交通も含む
- ^ サンクスのエリアフランチャイザーだったサンクスアンドアソシエイツ東四国(現アイル・パートナーズ)は本部との契約が切れる2013年1月12日午前7時をもって営業終了。その後、セブン-イレブンに転換した店舗では転換後しばらくして取り扱いを再開したが、本部との訴訟における和解条件により本部との直接契約でサンクスとして営業を継続していた店舗(具体的には高松古馬場店・高松塩上町店。いずれも2016年中に閉店)でのIruCa利用はできなくなった。
- ^ 自動改札機の通り方 - JR東日本
- ^ IruCaにチャージ 高松琴平電気鉄道
- ^ ただし、証明書自動発行機では利用できない。
- ^ 三菱UFJニコスと提携。
- ^ 前年度のクレジットカード(ショッピング)利用が年間12万円以上、もしくは、月々の携帯電話・PHS・電気料金の利用料金をSalutCaで支払いの場合。
- ^ PiTaPaのようなポストペイ機能や、SMART ICOCAのようなクイックチャージサービスはない。
- ^ 共通カード導入へ JR四国など3社(四国新聞ニュース)
- ^ 四国の運輸のあり方(四国地方交通審議会) (PDF)
- ^ JR四国の次期社長らが会見「逆風の中の交代」47NEWS2010年 5月25日
- ^ JR四国社長に泉氏、ICカードや列車高速化、時速200キロめざす。日本経済新聞2010年5月26日(リンクは日経Shopbizへの転載)
- ^ 2駅にICカード改札asahi.com 2011年8月31日
- ^ JR四国香川県内13駅でのICカード乗車券「ICOCA」導入について 四国旅客鉄道プレスリリース 2012年7月30日
- ^ JR四国、「ICOCA」利用駅を13駅に拡大 ‐ 日本経済新聞、2012年7月30日
- ^ 高橋恵一・土井健司・豊嶋以長「地域ICカードの利用実態と市場動向-ガラパゴス化する四国のICカード」[1] - 第39回土木計画学研究発表会資料(2009年6月)
- ^ “交通系ICカードの普及・利便性拡大に向けた検討会 とりまとめの公表について”. 国土交通省 (2015年7月15日). 2016年1月31日閲覧。
- ^ “IC乗車券10種類、琴電で利用可能に 17年度内、スイカなど”. 四国新聞. (2017年3月4日) 2017年3月20日閲覧。(全文表示には会員登録が必要)
- ^ 香川「IruCa」、広島「PASPY」エリアで「Suica」「TOICA」などが利用可に 乗りものニュース 2017年9月28日
- ^ a b c “ICカード 全国共通 琴電、来春に運用開始 香川県など助成”. 日本経済新聞. (2017年3月17日) 2018年1月27日閲覧。
- ^ a b IruCaエリアにおける交通系ICカードのご利用開始日について - 高松琴平電気鉄道・西日本旅客鉄道プレスリリース(2018年1月22日)
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