CDTV CDTVの概要

CDTV

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/26 04:49 UTC 版)

Commodore CDTV
コモドール
メーカー コモドール
種別 マルチメディア機
世代 第4世代
発売日 1991年5月
CPU Motorola 68000
対応メディア CD-ROM
コントローラ入力 キーボード
マウス
ゲームパッド
互換ハードウェア Amiga 500
次世代ハードウェア Amiga CD32
テンプレートを表示
オーディオCDの再生表示のデモ。
ボタンのクローズアップビュー。

概要

当時は音楽用CDやパソコン用CD-ROMの普及と同時に「マルチメディア」という言葉が流行した時代であり、CDという規格を策定したフィリップス社のCD-i(1991年)を筆頭に、CD-ROMをメディアとして採用した「マルチメディア機」がいくつかの大手家電メーカーからリリースされていた。パソコンのAmigaを擁するコモドールもその波に乗る形で、これまでコモドールが主なターゲットとしていたパソコン・ゲーム市場ではなくマルチメディア機市場をターゲットとして発売された製品である。

CDTVのハードウェア構成は同社のパソコンAmiga 500英語版とほぼ同じ仕様で、AV機器様の外観をした本体(キーボードは着脱式となる)にCD-ROMドライブ(等倍)を内蔵したものである。CDTVはアメリカの家電見本市CESで1991年5月にデビューし、続いてイギリスのWorld of Commodore 1991でも発表された[1]。当時のコモドールが拠点としAmigaが最も普及した国であるイギリスでの小売価格は、本体にリモコンと2本のCD-ROMタイトルが付いて499ポンドであった[2]

市場での失敗

しかし、パソコンとしてもゲーム機としても使い物にならない「マルチメディア機」の市場は、家電メーカー各社が期待したほどには大きくはならなかった。フィリップス・CD-iを筆頭に、3DO社/パナソニック・3DO(1993年)、パイオニアレーザーアクティブ(1993年)など、CD-ROMをメディアとして採用した「マルチメディア機」を標榜するハードは全て商業的に失敗している。コモドール・CDTVも例に漏れず失敗した。

CDTVに固有の問題としては、AVファンに大きな知名度を誇るパソコンのAmigaシリーズの一機種であり、その中でも最大のヒット機種であるAmiga 500と同等のアーキテクチャを採用しながらも「Amiga」ブランドを採用せず別ラインのAV機器としての販売戦略を取ったことも、一般AVファンの関心を引かなかった一因であった。また、コモドールはアミガ専門誌でこのCDTVを盛んに宣伝したが、CDTVはAmiga 500にCD-ROMドライブを付けただけのハードであったことはAmigaユーザーには周知であったため、ほとんどのAmigaファンはわざわざCDTVを買うのではなくAmiga 500用CD-ROMドライブが出るのを待つ、という選択肢を取った。ほどなくAmigaユーザーの期待に答える形で、CDTV用ソフトにも対応したAmiga 500用CD-ROMドライブがAmiga A570という形でリリースされ、その時点でCDTVの存在意義は完全になくなった。CDTVの設計を見なおしたモデルであるCDTV-IIが計画されていたが[3]出荷には至らず、最終的にコモドールは1993年に後継機のAmiga CD32を投入し、CDTVの販売を終了した。

CDTVの失敗から、後継機のAmiga CD32では対象ユーザーが曖昧な「マルチメディア機」ではなく明確にゲーマーを対象にした純然たる「ゲーム機」として、Amigaのブランドでリリースされた。また、Amiga CD32はAmiga 1200のハードを流用している点ではCDTVと同レベルだが、単にAmiga 1200にCD-ROMドライブを内蔵するだけではなく"Akiko Chip"を追加で搭載し、対応ソフトもCD32でしか動作できない設定とした。しかしPC/AT互換機市場の拡大と共にホビーパソコン市場が衰退する中Amigaの売れ行きも低下しており、経営が悪化していたコモドールはAmiga CD32のリリースから半年後に倒産した。

ハードウェア

CDTVはOSとしてAmigaOS 1.3を搭載している。同年にはAmigaOS 2.0がリリースされているが、CDTVのリリースとほぼ同時期となったためにCDTVでは採用されていない。CDTVはAmigaで動画再生を可能とするためにコモドール自身が開発したCDXL英語版規格に対応しており、CD-ROMによる動画再生をサポートしたハードとしては初期の部類に入る。

内部のハードウェア構成はAmiga 500とほぼ同じだが、フロッピーディスクドライブが廃止された代わりにCD-ROMドライブが付いている。外装はパソコンと言うよりAV機器のような雰囲気にデザインにされ、リモコンが付属している。最初期の販売モデルではキーボードとマウスもついていなかったが、後にバンドルされるようになった。




  1. ^ The Commodore CDTV Information Center - www.cdtv.org.uk”. 2008年4月18日閲覧。[リンク切れ]
  2. ^ Amiga History Guide”. 2008年4月18日閲覧。
  3. ^ The Big Book of Amiga Hardware - Commodore CDTV-II”. 2008年4月18日閲覧。


「CDTV」の続きの解説一覧

COUNT DOWN TV

(CDTV から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/12 10:32 UTC 版)

COUNT DOWN TV』(カウントダウン・ティーヴィー、略称:CDTV)は、1993年平成5年)4月8日(7日深夜)からTBS系列で放送されているランキング形式の音楽番組である。2009年(平成21年)4月19日(18日深夜)以降はハイビジョン放送へ移行している。




「COUNT DOWN TV」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「CDTV」の関連用語

CDTVのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



CDTVのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのCDTV (改訂履歴)、COUNT DOWN TV (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS