響きと怒り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/26 04:08 UTC 版)
登場人物
- ジェイソン・コンプソン3世 (?-1912年) — コンプソン家の家長、南部大学で学んだ弁護士 — 虚無的な思考を行いアルコール中毒である。その厭世的な意見が息子のクウェンティンを悩ませる。小説『アブサロム、アブサロム!』では幾つかの章の話者になっている。
- キャロライン・バスコム・コンプソン (?-1933年) — コンプソン3世の妻 — ジェイソン以外の子供達には愛情を示すことのない自己完結な神経症。ジェイソンはバスコム家の血を受け継いでいると考えている。老年では人使いの荒い心気症になった。
- クウェンティン・コンプソン3世 (1890年-1910年) — コンプソン家の長兄 — 感情的で神経質、父が虚無的哲学を持っており、妹の性的放縦性を抑えられないことで、精神的抑鬱が募り、自殺する。小説『アブサロム、アブサロム!』にも登場している。小説の中で自殺した場所であるチャールズ川に架かる橋にはその生と死を記念する銘板が据えられている。
- キャンダス・"キャディ"・コンプソン (1892年-?) — コンプソン家の2人目の子供、意思が強いが世話好き、ベンジーの唯一心から面倒を見る者であり、兄クウェンティンの最良の友人、フォークナーによれば、この小説の真の英雄。キャディは決して声を荒らげることがなく、彼女に対する兄弟の感情によってその性格を発展させるように仕向ける。
- ジェイソン・コンプソン4世 (1894年-?) — 辛らつな人種差別主義者、コンプソン家の3人目の子供、借金と性的な憤懣で問題を起こしている。アールという男が経営する農業用品店で働き、1912年にコンプソン家の家長になる。長年、ミス・クウェンティンの養育費を着服している。
- ベンジャミン・("ベンジー"、生まれたときはモーリー)・コンプソン (1895年-?) — 知的障害のあるコンプソン家の4人目の子供、家族にとって常に恥と嘆きの源であり、特に母はその名前をベンジャミンに変えることに固執する。家族の中でキャディだけがベンジーに誠実な愛情を向ける。人について動物的な「第6感」があり、キャディの匂いから彼女が処女を失ったことを察知することができる。ベンジーのモデルはフォークナーが『神の王国』と題して1925年にニューオーリンズの「タイムズ・ピカユーン」に載せたスケッチに始まっている可能性がある。
- ディルシー・ギブソン (?-?) — 召使一家の女家長、子供はヴァーシュ、フローニー、T・Pの3人、孫はフローニーの子供であるラスター、彼らはベンジーの生涯を通じて世話人となる。コンプソン家の崩壊する様を観察する者である。
- ミス・クウェンティン・コンプソン (1911年?-?) — キャディの娘、ハーバートがキャディを離婚した時に、ジェイソン4世の庇護下にコンプソン家と生活することになる。叔父のクウェンティンに因んで名付けられているが、クウェンティン2世あるいはミス・クウェンティンと呼ばれて識別できる。
- ^ シエークスピヤ「第五幕 第五場」『沙翁傑作集(マクベス)』 10巻、坪内逍遙 訳、早稲田大学出版部、172頁。doi:10.11501/979379 。2022年11月26日閲覧。
- ^ "マクベス:第五幕 第五場". 物語倶楽部. 2004年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2004年9月28日閲覧。
- ^ フォークナー 1971, p. 421.
- ^ フォークナー 1971, p. 334.
- ^ フォークナー 1971, p. 551.
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