阪神神戸高速線 概要

阪神神戸高速線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/21 18:18 UTC 版)

概要

神戸高速鉄道が1968年に「東西線」として運営を開始した路線で、神戸市中心部において阪神本線山陽電気鉄道本線を接続する地下線である。新開地駅 - 高速神戸駅間 (0.6km) は阪急も神戸高速線として同じ線路で旅客運送を行っており、第二種鉄道事業における重複区間となっている。阪神・淡路大震災被災を挟んで工事の進められていた西代駅 - 高速長田駅間の一部も地下線に切り替えられた。神戸高速鉄道により運行開始した時点の上下方向を踏襲しているため、正式な起点は西代駅であるが、列車運行上は阪神本線に合わせて元町駅から西代駅へ向かう列車が下り、逆方向が上りとなっている。

1987年までの地方鉄道法時代は神戸高速鉄道が阪神・山陽から車両を借用して自社路線として運営していた。同年の鉄道事業法施行後は神戸高速鉄道が第一種鉄道事業者として認可されなかったことを受け、1988年から阪神・山陽が当路線の第二種鉄道事業者となった上で(阪急も西代駅 - 三宮駅間の第二種鉄道事業認可を取得)、改札・運賃収受・保線などの業務を当路線の線路等を保有する第三種鉄道事業者となった神戸高速鉄道に委託。運賃制度が据え置かれた上で、委託契約により神戸高速鉄道が神戸高速線の運賃相当額を得る形となったため、実質的な運行形態は地方鉄道法時代と変わらなかった(「神戸高速鉄道#鉄道事業法の施行に伴う運営形態の変更」参照)。

その後、第二種各社の運行形態の変更や阪急・阪神経営統合、出資比率の変更に伴い、阪急・山陽の西代駅 - 新開地駅間と山陽の新開地駅 - 三宮駅間の第二種鉄道事業は2010年10月1日に廃止され[1]、阪急の第二種鉄道事業が残る新開地駅 - 高速神戸駅間を除いて第二種鉄道事業は阪神の単独に変わり(事業区間重複の大幅解消)、山陽は単に乗り入れてくる形(他社線からの直通運転)となった。同日に、西代駅 - 元町駅間の列車運行管理業務・駅運営管理が阪神に移管され、駅名標も阪神のデザインと同一のものになった[2]。それにあわせて、神戸高速線各駅の駅務などの従業員のほとんどは、阪神が神戸高速線の業務を新たに委託した阪急レールウェイサービスに転籍して業務にあたることになった(制服は阪神社員仕様のものを採用)。営業に際して表記する路線名称についても、第三種鉄道事業者の定める「神戸高速鉄道 東西線」に代わり、第二種鉄道事業者の定める「(阪神)神戸高速線」とされている。駅の案内標識や時刻表(2012年3月20日のダイヤ改正から)に関しては阪神のフォーマットになった。

これらの結果、営業形態の大半において全国で多数例のある第二種・第三種の鉄道事業形態に倣うものとなった。ただし、運賃については従前の取り扱いが引き継がれ、阪急神戸高速線及び神戸電鉄神戸高速線を合わせて「神戸高速線」区間として独立した運賃体系が設定されており、阪神本線の各駅とは同じ阪神の路線ながら神戸三宮駅までの運賃を合算する計算方法となっている一方、当路線から神戸電鉄線湊川駅や阪急線の花隈駅、神戸三宮駅までは合算ではなく通し運賃となる。企画乗車券に関してもこの設定が基本となっている。

高速長田駅 - 西元町駅間の各駅の場内アナウンスや発車ベルについては、2016年3月18日まで神戸高速鉄道独自仕様の放送が用いられていたが、2016年3月19日のダイヤ改正以降、阪神仕様のものに変更されている。なお、発車メロディについてはベルが使われている。

路線データ

  • 管轄・路線距離(営業キロ):
    • 阪神電気鉄道(第二種鉄道事業者):
      • 西代駅 - 元町駅間 (5.0km)
    • 神戸高速鉄道(第三種鉄道事業者):
      • 西代駅 - 元町駅間 (5.0km)
  • 軌間:1435mm
  • 駅数:7駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:全線
  • 電化区間:全線電化(直流1500V)
  • 最高速度:65km/h

  1. ^ 神戸高速線における鉄道事業許可変更日の決定について (PDF) - 阪急阪神ホールディングス、2010年7月16日。
  2. ^ 2010年10月1日(金)、神戸高速線が新たに生まれ変わります! (PDF) - 阪神電気鉄道 2010年9月13日
  3. ^ ただし保線用に車籍のない機械として電気検修車と道床洗浄車を所有していた。保線用モーターカーは現在阪神電気鉄道が所有している。
  4. ^ a b c d e f g 「阪神大震災 被災と復旧の記録(5)神戸高速鉄道」『鉄道ファン』第36巻第12号、交友社、1996年12月、71-75頁。 
  5. ^ “阪神山陽電鉄 直通特急の運転開始”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1998年2月17日) 
  6. ^ 3月20日(火・祝)全線のダイヤ改正を実施! (PDF) - 阪神電気鉄道ニュースリリース 2012年1月20日
  7. ^ a b 阪神「三宮」を「神戸三宮」に駅名変更のうえ、駅ナンバリングを導入し、全てのお客さまに分かりやすい駅を目指します (PDF) - 阪急阪神ホールディングス2013年4月30日
  8. ^ a b 全駅に駅ナンバリングを導入します (PDF) - 山陽電気鉄道、2014年2月7日
  9. ^ 2016年3月18日までは、神戸高速鉄道線内の停車駅に準じた案内がなされており、阪神の特急は普通列車として扱われていた。





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