部首 中華人民共和国の部首

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部首

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/07 17:59 UTC 版)

中華人民共和国の部首

中華人民共和国では部首と画数に加えて筆画の形(筆形)を利用することが多い。筆形を「横・竪・撇・点・折」の5種類に大別し、これを五筆と呼ぶ。同一画数の文字は最初の画により、最初の画も同じなら第2画……のように配列する。これによって同一画数の字が検索しやすくなっている。

中華人民共和国の字書・漢字辞典では、日本同様に字義を重視して康熙字典に準じた部首を採用するもの、字形を重視して索引の便を図るものの両者が並立している。人部と部を別の部首に分離したり、人部と入部、日部と曰部をそれぞれ統合したり、行部を彳部に含めたりするなど、『康熙字典』の214部首とは違う扱いをしているものが多い。代表的な字書である『中華字海』は210部首、『漢語大字典』では200部首としている。『新華字典』の1971年版や『現代漢語詞典』初版の部首索引は189部首だった[注釈 1]。『辞海』は『康熙字典』の214部首をベースにしつつも大量の新設部首を導入するなどして250部首の体系を採用しているのが特徴的である。

また、中華人民共和国では簡体字正書法としており、例えば言偏は2画の「」に書き換えられるが、偏でない単体の「言」や脚にある「誓」などの場合は7画の「言」のままとなっている。「貝」の簡体字「」は、どの場所にあっても用いるが、この場合でも部首としての画数は7画のままのことが多い。

漢字部首表

部首の扱いを統一するため、1983年に「漢字統一部首表」草案が作られ、2009年に「漢字部首表」として正式に実施された[3]。また「GB13000.1字符集漢字部首帰部規範」ではGB13000.1(GBK)のすべての字について部首と画数を定義した[4][5]。この方式では201部首(附形部首は100種類)を採用している。『新華字典』『現代漢語詞典』の部首索引はこの方式に従っている。

旧来の部首から二部爻部玄部用部禸部舛部行部鬯部黹部などが除かれ(たとえば「舛」は夕部、「行」は彳部、「用」は冂部に入れる)、また乙部亅部人部入部匚部匸部土部士部夂部夊部日部曰部などはひとつにまとめられている。新設の部首として「业部」と「龺部」がある。同一画数の部首は筆形順に並べられる。各漢字の部首への所属は以下のような優先順序で決められる[4]

  1. 漢字の左・上・外に部首があれば、それを取る。「和」は禾部、「暮」は艹部、「巡」は辶部など。
  2. 漢字の右・下・内に部首があれば、それを取る。「颖」は页部、「黎」は氺部、「载」は车部など。
  3. 漢字を左から右、上から下に見ていって、部首があればそれを取る。「嬲」は田部、「釐」は攵部、「舞」は夕部など。
  4. 最初の筆画を部首とする。「甫」は一部、「年」は丿部、「夬」は乛部など。

注釈

  1. ^ 『現代漢語詞典』部首検字表説明には188部首とあるが、実際の部首番号は189まである。

出典

  1. ^ 『三省堂漢和辞典』第四版(1993) p.5
  2. ^ 『角川 新字源』改訂版、1994年。凡例 p.4
  3. ^ 汉字部首表 GF0011-2009』中華人民共和国教育部http://www.moe.gov.cn/ewebeditor/uploadfile/2015/01/13/20150113090108815.pdf 
  4. ^ a b GB13000.1字符集汉字部首归部规范 GF0012-2009』中華人民共和国教育部http://www.moe.gov.cn/publicfiles/business/htmlfiles/moe/s230/201503/184493.html 
  5. ^ 教育部、国家语委发布《汉字部首表》和《GB13000.1字符集汉字部首归部规范》』中華人民共和国教育部、2009年2月27日http://www.moe.gov.cn/s78/A19/yxs_left/moe_810/s228/201202/t20120207_130121.html 
  6. ^ 角川書店、『角川最新漢和辞典』(1981年(昭和56年)1月20日103版発行





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