趙鏞基 ミニストリー

趙鏞基

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/01 06:32 UTC 版)

ミニストリー

純福音神学

趙を堂会長とする汝矣島純福音教会は「純福音神学」を基本教理としている。それは『聖書に記されている御言葉をあるがまま受け入れる純粋な福音』であるとし、その基層となるのは「五重の福音」(新生の福音、聖霊充満の福音、癒しの福音、祝福の福音、再臨の福音)と呼ぶ聖書の5つの主題、そしてその福音の適用としての「三重の祝福」(私たちの霊、魂、肉体において、人生のすべての領域に幸を得る)であるとしている[7]。この神学に対し「繁栄の神学」「ご利益信仰」だとする意見があるが、趙はご利益信仰を説教したことはない[4]。恵みについてだけでなく、むしろキリストを信じることにより十字架を背負うこと、神による訓練についても説教している。

パウロからダビデへ

趙は世界宣教をするにあたって、訪問地の人々に名前を覚えてもらいやすいように、という配慮から「パウロ」(Paul Yonggi Cho)という英語名を用いるようになった。国の言語によっては、「チョー」などの発音があまり用いられないため、覚えにくかったからである。また、尊敬するパウロ先生のように神のために働きたい、という思いも込めていた。

1990年代初めごろ、韓国のアッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団(以下AG)は、AG・キリスト/AG・イエスの2つに分裂した状態だった。統一に向けた話し合いが不調だったある日、神は「英語名をパウロからダビデ(David Yonggi Cho)に変えよ」といわれた。 当時の汝矣島純福音教会の長老達に話すと猛反対された。趙は「名前を変えるのは本当に大変です。印刷物なども全部変えなければなりませんし、海外の方も別の人物と勘違いするかもしれません。長老も猛反対です。」と必死に神に説明するも、断固変えよと命じられた。

「パウロ・チョー・ヨンギの命を教団の統一という十字架に捧げよ。そしてダビデ・チョー・ヨンギとして復活するのだ。」神に指示された通りに両教団関係者との会合で宣言し、両教団は不可能かと思われた統一を電撃的に果たした[4]

2014年5月には、韓国教会の大統合のため、韓国基督教総連合会(韓基総=CCK、ホン・ジェチョル代表会長、67加盟教団)と韓国教会連合(韓教連=CCIK、ハン・ヨンフン代表会長、35加盟教団)の双方の関係者より趙が大統合の仲介役として推薦された[8]

奇跡のロシア聖会

ソビエト連邦の崩壊から1年後、趙はロシアを訪問。1992年6月16日から3日間の聖会を開催した。ロシア正教会の組織的妨害が懸念されたため、KGB秘密警察の警戒の元で行われた。

クレムリン宮殿は国会議事堂であり管理も厳しいところであるため、ロシア内務省の許可を受け、説教した。その中で趙は共産主義、無神論をはげしく非難した。これに危機感を持った保守主義者・共産主義者・ロシア正教会が「このような説教をさせてはいけない」と3日目にクレムリン宮殿の門を閉じてしまった。信教の自由といいつつも、まだまだ権力層の宗教弾圧が存在していたのである。雲の様な群集が宮殿横の公園に集まっていた。公園に行って説教するというと長老が必死で止めた。「今晩監獄に入ることになってしまいます」「よろこんで監獄に行く、証になるから」。ロシア関係者に長老たちと共に交渉したが「絶対許可しない、そのような説教をするとは思わなかった」。

公園に行くと3万名以上の群集が押し寄せていた。クレムリンは6千名収容だが、それをはるかに越える大群集である。6月で白夜。深夜0時でも昼のように明るい。趙は心が燃えて燃えてたまらない。神に祈り、「行く。今晩監獄に入る。」公園に行くと通訳者が逃げていていない。誰かいませんかというと、1人の女性が名乗り出た。「監獄に入っても大丈夫です」地下教会がすばやく発電機を用意する。マイクを木につける。説教を始めると群衆は泣いて、泣いて大声で叫び、ロシアの中心に声が響きわたり、電車も止まり、バスも止まり、歩く人々が止まってみんな公園のほうをみて交通渋滞になってしまった。

ロシアの警察は、大人数で趙の方へ走ってきた。「逮捕される。」覚悟を決め、勇気を出してさらに叫んで説教した。さらに1週間身辺警護をしていたKGB12名がやってきた。強面の彼らは1週間一度も趙が話しかけても話さない。KGBが警察に話して、警察は退いた。

KGBは流暢な英語で話しかけた。「先生。説教を続けなさい。私達は先生を警護するうち、皆クリスチャンになりました。」

この聖会は3日間で延べ4万人以上動員し、新たに1万3千名が信仰を持った[4]


  1. ^ a b [속보 여의도순복음교회 설립 조용기 목사 별세…(汝矣島純福音教会創立趙鏞基牧師逝去)]”. ハンギョレ. 2021年9月14日閲覧。
  2. ^ (30)함안 조씨(咸安趙氏)-259,196명” (朝鮮語). 서울이코노미뉴스 (2014年8月7日). 2022年7月18日閲覧。
  3. ^ 『4次元の人-3次元の人生を支配する』トランスフォーメーション・グロース小牧者出版
  4. ^ a b c d e TV番組『幸福への招待』放送内容より
  5. ^ 『4次元の超霊力―神の力を解き放て』カッパ・ブックス光文社
  6. ^ ピーター・ワグナー『日本の霊の壁を打ち破れ』暁書房
  7. ^ FGTV-純福音神学
  8. ^ 韓国教会の指導者らが会合、CCK・韓教連統合のための提案を発表 チョー・ヨンギ牧師が仲介役に
  9. ^ 『第四次元』p.19,幸福への招待
  10. ^ チョー・ヨンギ牧師への名誉棄損で反キリスト教市民運動連合メンバーに罰金判決
  11. ^ The Kyunghyang Shinmun, 14 March 2011. .
  12. ^ 背任罪などで罰金判決受けたチョー・ヨンギ牧師、主日にメッセージ 「所有してはならないことを学んだ」.
  13. ^ American, Taiwanese Pastors Disclose Insider Details to David Yonggi Cho's Indictment
  14. ^ Christianity Daily, 6 July 2016. .
  15. ^ チョー・ヨンギ牧師、背任罪で懲役2年6月、執行猶予4年確定 最高裁が上告棄却 .





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  趙鏞基のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「趙鏞基」の関連用語

趙鏞基のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



趙鏞基のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの趙鏞基 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS