谷地頭停留場 事故

谷地頭停留場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/17 04:56 UTC 版)

事故

1999年1月2日15時頃、青柳町停留場から当停留場へ向かっていた8000形8005号が下り坂でスリップを起こし、止まりきれずにレール上の車輪止め(高さ約100 mm)を乗り越え、さらにゴムクッション付き金属製車体止め(高さ800 mm)をなぎ倒し、プレハブ造りの待合室に衝突、全壊させた[2]。乗客30人にけがはなかったが、待合室にいた5人が打撲などを負った[2]

運転士によると、手順通りに下り坂約300 mのうち残り100 m手前からブレーキをかけたが、スリップして止まりきれなかったという。事故後、当該車両のブレーキ系統に異常は見られず、自力走行ができた。

この日は朝からスリップしやすく、砂を撒くなどして対策していた。当駅に入るには右カーブがあり減速する必要があるが、もし減速ができなければカーブも曲がりきれない危険性がある。また併用軌道で、自動車がレールに泥を付着させたり、海に近いことから潮風による塩分が付着するとスリップしやすくなる。

事故当時の停留場における車輪止め・車体止めの設備も十分とはいえず、待合室の位置など、停留場施設の見直しが必要とされた。

なお企業局交通部では、運行前や運行途中に道路の状況を確認して融雪剤や砂を撒くようにしている。運転士にも連絡をとり、全車両に砂を載せて運転士も必要に応じて随時撒くようにし、安全に運行できるように努力している[7][8]。また、現在は坂の途中にあるカーブ手前(青柳町34番地先)に一時停止を促す標識が設置されており、全車その地点で一時停止を行った上で停留場に向かうことになっている。

参考までに軌道建設規程(国土交通省令)第十六条では、本線の坂は40‰(4%)より急にしてはならない。ただ例外規定があり、特別な区間は67‰(6.7%)まで許されている[9]


  1. ^ 北海道 駅乗降客数”. 2021年3月11日閲覧。
  2. ^ a b c 鉄道ジャーナル』第33巻第4号、鉄道ジャーナル社、1999年4月、99頁。 
  3. ^ 谷地頭折返線線路改良工事に伴う市電の運休についてより、2017年11月30日閲覧
  4. ^ 『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』 No.11(札幌市交通局・函館市企業局)、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2011年5月、17頁。全国書誌番号:21928058 
  5. ^ 谷地頭電停付近の溢水(いっすい)”. はこだて市史編さん室だより第8号. 函館市. 2013年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月4日閲覧。
  6. ^ 函館産業遺産研究会 2011, p. 17.
  7. ^ 函館新聞』1999年1月3日、4日
  8. ^ 北海道新聞』1999年1月3日
  9. ^ 軌道建設規程(大正十二年内務省・鉄道省令第一号)第十六条”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局 (2019年6月28日). 2020年1月27日閲覧。 “令和元年国土交通省令第二十号、2019年7月1日施行分”


「谷地頭停留場」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「谷地頭停留場」の関連用語

谷地頭停留場のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



谷地頭停留場のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの谷地頭停留場 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS