荒川水管橋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 17:10 UTC 版)
概要
埼玉県広域第二水道用水供給事業の一環として[5]1982年(昭和57年)9月に着工され[6]、1984年(昭和59年)5月31日[7][注釈 1]、埼玉県北足立郡吹上町大芦(現 鴻巣市)と大里郡大里町小八林(現 熊谷市)の間に完成、同年7月より通水を開始した[9]。総事業費は39億160万円であった[6]。荒川河口からおよそ68 kmの地点に架設されている[10]。ローゼ補剛形式14連で、全長は1100.95 m。送水管自身が橋桁を兼ねた構造である。直径1.2 mの送水管は白、アーチ部材は赤く塗装されている。橋の施設管理者は埼玉県(企業局)である[10]。1985年(昭和60年)には、厚生省・日本水道新聞社の企画による近代水道百選に選定された[8]。また同年、全日本建設技術協会より経済的かつ美観上優れていると評価され「全建賞」を受賞した[6]。
利根川の利根大堰で取水された河川水は行田浄水場で浄水処理される。こうして作られた水道水は埼玉県企業局による県営水道として埼玉県内各地に供給され、比企・入間地方をはじめとする県西部へは本橋を介して左岸側(吹上)から右岸側(吉見)に送水される。
水道専用の橋であり、通常は人が渡ることはできないが、2016年10月に本橋のキャットウォーク(メンテナンス用通路)を歩いて渡ることができる見学会が初めて開催された[11]。以降、例年春と秋に見学会が開催される[12]。
注釈
出典
- ^ a b c d “5月20日(日)水管橋を歩いて水道を学ぼう! 荒川水管橋見学会(にち10おでかけリサーチ)”. TBSラジオ 安住紳一郎の日曜天国 (2018年5月20日). 2020年1月26日閲覧。
- ^ 吉原忠 & 栗原哲男 (1984, pp. 50–53)
- ^ a b “[ぐるっと東日本 旅するみつける]埼玉・鴻巣、熊谷 荒川水管橋:見学会だけのレア体験”. 毎日新聞 朝刊(首都圏面) (毎日新聞社). (2023年7月4日) 2023年7月4日閲覧。
- ^ a b “鴻巣の日本一 【日本一】水管橋の長さ(1,100.95 m)”. 鴻巣市役所 (2016年3月1日). 2020年1月23日閲覧。
- ^ 吉原忠 & 栗原哲男 (1984, p. 49)
- ^ a b c d 『埼玉新聞』昭和60年6月30日10頁
- ^ 荒川水管橋の銘板 有限会社フカダソフト「気まぐれ旅写真館」(2020年1月27日閲覧)
- ^ a b c d “荒川水管橋 〜日本一長い水管橋〜” (PDF). 国土交通省 荒川上流河川事務所. 2020年1月26日閲覧。
- ^ 吉原忠 & 栗原哲男 (1984, p. 58)
- ^ a b 荒川上流河川維持管理計画【国土交通大臣管理区間編】 (PDF) (国土交通省関東地方整備局、2017年11月)p.107 2020年2月11日閲覧
- ^ “埼玉県荒川水管橋 初の見学会に700人”. 日本水道新聞. (2016年12月1日) 2020年1月26日閲覧。
- ^ "日本一長い水管橋を歩いてみよう!荒川水管橋見学会の開催" (Press release). 埼玉県企業局. 30 September 2019. 2020年1月26日閲覧。
- ^ “【橋りょう】大芦橋〔鴻巣市・熊谷市〕”. 埼玉県県土整備部 (2018年2月15日). 2020年1月26日閲覧。
- ^ “水管橋カードを作成しました”. 埼玉県 (2019年4月18日). 2020年1月26日閲覧。
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