脊髄空洞症 診断

脊髄空洞症

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 20:35 UTC 版)

診断

脊髄MRIで診断可能である。脊髄空洞症を認めた場合、その原因を確認する必要がある。すなわち、頭蓋頸椎移行部において小脳扁桃の下垂が無いかを確認し、下垂がみられればキアリ奇形の診断となる。また、空洞の中に腫瘤が形成されていないかを確認し、腫瘤が認められた場合には上衣腫や血管芽腫などの脊髄腫瘍の存在を疑い、造影MRI検査も追加すべきである。

治療法

  • キアリ奇形が原因のものであれば、大後頭孔減圧術が第一選択となる。
  • キアリ奇形が原因であっても、大後頭孔減圧術が無効な症例では空洞-くも膜下腔シャント術 (syrinx-subarachnoid shunt; S-S shunt) を考慮する。
  • 外傷や感染後の癒着性くも膜炎が原因の場合は、癒着の範囲が広くなければ癒着剥離術や空洞-くも膜下腔シャント術を考慮する。
  • 一般的に癒着性くも膜炎が原因の脊髄空洞症は、難治であることが多い。
  • 外科的手術の適応が乏しいと判断される場合は、しびれや痛みに対する内服薬などの対症療法が選択されることが多い。
  • 近年、脊髄空洞症とキアリ奇形の治療として、脊髄下端部の終糸を切離する終糸切離術が有効との見方が注目されている[1]

脚注

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関連項目

  • 延髄空洞症
  • 解離性感覚障害
  • 上衣細胞腫
  • 水脊髄症

外部リンク


注釈

  1. ^ 脳室と同様に上衣細胞に覆われる。通常、成人では開存しておらず遺残のみ。

出典



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