米印原子力協力
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IAEA理事会の承認
2008年8月1日、国際原子力機関IAEA理事会はインドとの間での保障措置協定を承認。
国際的反響
賛成論
アメリカでは、近年台頭する中華人民共和国との力の均衡策として、インドを重視するとの意見が強い。また、インドとの関係緊密化による経済関係の強化、さらには原子力市場への参入も狙う。これまでNPT体制の枠外にいたインドを、一応は国際的な核不拡散体制のなかに引き込むとして、核不拡散体制の強化との声もあり、IAEAのモハメド・エルバラダイ事務局長もこの論から賛成を表明している。さらにインドが、核不拡散に協力しており、地球環境問題からも原子力発電利用が有効とする。NPTによる核不拡散体制は、すでに空洞化しており、今更に維持を求めるのは現実的ではないとする。
反対論
NPTを無視してきたインドを、「核保有国」として認め、NPTを中心として維持されてきた核不拡散体制をさらに空洞化するとの批判から、反対論も根強い。インドの軍事用核施設がIAEAの査察を受けないことを認めることは、核兵器増産となり核戦争の危機を深めるとする。そして、まずインドがNPTやCTBTを締約し、その後に原子力協力を行うよう主張する。
NSGと国際情勢
IAEA理事会では、数時間の審議で承認された。しかし、「NSGガイドライン」により国際的な原子力・核関連の貿易を規制するため、45ヶ国が加盟するNSGは、全会一致制をとる。法的拘束力のない紳士協定であるが、これまで一定の役割を果たしてきた。
2008年に「原子力供給国グループ(NSG)ガイドライン」が修正され、インドに対する核関連品目の供給が認められた[1]。
中国とパキスタンの対応
中国共産党中央委員会の機関紙人民日報は米印原子力協力を激しく批判したが、一方で中国はパキスタンに資金と技術を援助し、同国最大規模原子力発電所を建設している[2]。
パキスタンは、核関連物資・技術の輸出管理を行う原子力供給国グループ(NSG)の承認を受けておらず[3]、過去にパキスタンのアブドゥル・カディール・カーン博士が中心となって構築していたネットワーク「核の闇市場」を通じて核技術を北朝鮮に拡散させた事があるため、テロリストへの核拡散への不安と懸念が高まっている。
2010年、米シンクタンク「軍備管理協会」は、中国がパキスタンの原子力発電所建設への関与を強めていることを憂慮するとして、ニュージーランドで開く総会で問題提起するよう求める書簡を原子力供給国グループ(NSG)メンバー46カ国に送ったと発表した[4]。
- ^ http://www.jepic.or.jp/data/ele/pdf/ele08.pdf
- ^ http://sankei.jp.msn.com/world/news/131127/asi13112712410002-n1.htm
- ^ http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM13043_T10C12A2FF1000/
- ^ http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1801F_Y0A610C1000000/
- ^ http://news.indochannel.jp/column/clm0000106.html
- ^ http://www.iwanami.co.jp/sekai/2007/04/directory.html
- ^ http://www.iwanami.co.jp/sekai/2008/09/directory.html
- 1 米印原子力協力とは
- 2 米印原子力協力の概要
- 3 IAEA理事会の承認
- 4 日本の対応
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