箱 箱の概要

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/03 03:55 UTC 版)

日本選挙で使用される投票箱(横長型)
日本の募金箱24時間テレビ 「愛は地球を救う」

概要

一般的には、箱は直方体か立方体である。その形状から工学的に垂直方向や水平方向でに平行ないし直角に加わる力には強く、同じ大きさの箱構造を積み重ねることにも向く。また空間を隙間なく充填できることから隙間の効率的な利用にも役立つ。

箱は日常生活のあらゆる場面において、様々な素材・大きさ・性質のものが、様々な用途に利用されている。主には物の保管や輸送に利用される。容器自体で、一定の形状を保持できるものを「箱」と呼び、内容物により、形状が変化するものを「」と呼ぶ。この二つは共に基本的な容器の形状であり、それらは様々な側面で利用されている。

箱の材料について貨物輸送に関する国連勧告「Recomendations on the Transport of Dangerous Goods」では、鋼、アルミニウム、天然木材、合板、再生木材、ファイバ板、プラスチックに分類している[1]。プラスチック製のものには硬質プラスチックのものと発泡プラスチックのものがある[1]。また、再使用を前提としないパッケージではで作られたものが多い。このほかなどの材料で作られる場合もある。

形態は直方体(ふた)が付いているものも多い。密閉性が無く固形の内容物をまとめて運搬する用途の箱(例えばメッシュパレットやメッシュボックスなど)から、密閉性があり液体を入れる箱まで様々で、また内容物の性質にもよっても材質が吟味される。

紙製容器

紙器の場合、組立箱、貼り箱、段ボール箱などに大別される[2]

組立箱

組立箱(組み立て式の箱)の形式には次のような種類がある。

A式箱
箱の上下に蓋の部分と底の部分があり、蓋を閉じるのに粘着テープ等を用いるもの。例示としてミカン箱が挙げられることが多い。木型(抜型)は不要。一般に他の構造よりも単価が安く強度にも優れる。
B式箱
箱の一部に差し込み式の部分を用いたもの。少なくとも箱の側面の一辺をホットメルト等で接着する構造となっている。通常は木型(抜型)が必要。蓋の部分を加工して爪掛け、ロック、取っ手などを付けたものもある。底も差し込み式の場合には粘着テープ等で閉じる必要がある。底が組み立て式となっている箱を特にロックボトムという。
キャラメル箱(サック箱)
蓋・底ともに差し込み式の箱。底抜けしないように底部にテープ貼りを要する。
地獄底(アメリカンロック式)
接着なしで蓋は差し込み式、底は組み立て式の箱。
ワンタッチ底
接着ありで組み立てる箱。
スリーブ箱
身がスライド式で蓋が筒状の箱。
C式箱(身蓋箱、トムソン箱)
身と蓋の分かれた箱。A式箱やB式箱とは異なり折り畳むことはできない。木型(抜型)が必要。紙の身蓋式の箱は、一枚の紙から接着することなく、型を抜き、組み立てるだけで作ることができる。紙から型を打ち抜く機械をトムソンと言い、それにより作られた身蓋箱のことをトムソン箱とも言う。
E式箱
身と蓋の分かれた箱で、それぞれ折り畳むことができるようにしたもの。
N式箱
接着なしの差込式簡易箱。
多当式(奴式)
上下左右の四方向に側面まで完全に開く方式で、薄く平たいものの包装に用いる。
巻き込み式(ベランダ式)
左右方向に側面まで完全に開く方式で、用途は多当式とほぼ同じ。

貼り箱

貼り箱はボール紙などを芯にした箱に、美しく印刷した紙を貼ったり、型で浮き出し加工を施したものである[2]

段ボール箱

電化製品やみかんやりんごなどの果実類の運搬用などに特に強度や耐衝撃性を高めた段ボール製の箱を段ボール箱という[2]

プラスチック製容器

特徴

プラスチックコンテナには次のような特徴がある[3]

  • 寸法や品質が一定しているためベルトコンベアなど工場設備を合理化でき稼働率を高めることができる[3]
  • 成型性がよく内容物や諸設備に適した自由な設計が可能である[3]
  • 比較的軽量で水を吸うことがなく季節を通して重量が安定しており、内容物の計量の精度を高めることもできる[3]
  • 色彩が自由で良品と不良品の区別、発送時の管理、商品の宣伝に利用でき、他社の容器との混同による容器の紛失などを防ぐことができる[3]

通函(通い箱)

輸送目的で循環して使われる箱を通函(通い箱)という。プラスチックコンテナの場合、アウトプット型(生産工場、倉庫、市場、店頭を循環)とインプット型(原料の生産地・収穫地、集荷場、生産・加工工場を循環)がある[4]


  1. ^ a b c 内野篤「危険物輸送と容器の安全性」『安全工学』第30巻第5号、安全工学会、1991年、318-324頁、doi:10.18943/safety.30.5_318ISSN 0570-4480NAID 1300060318692021年7月1日閲覧 
  2. ^ a b c 鈴木金蔵「紙器とその印刷加工について」『紙パ技協誌』第18巻第11号、紙パルプ技術協会、1964年、466-471頁、doi:10.2524/jtappij.18.11_466ISSN 0022-815XNAID 1300036853232021年9月9日閲覧 
  3. ^ a b c d e * 窪田稔「プラスチックパッケージコンテナーについて」『日本釀造協會雜誌』第65巻第7号、日本醸造協会、1970年、565-570頁、doi:10.6013/jbrewsocjapan1915.65.565ISSN 0369-416XNAID 1300043234702021年9月9日閲覧 
  4. ^ リサイクル可能なプラスチックの種類


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