等号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/21 13:45 UTC 版)
関連記号
恒等
常に等号が成り立つ恒等式を、方程式と明確に区別したいとき「≡」が使われる。ただし「=」を使っても間違いではない。
A ≡ B (A と B は恒等的に等しい)
「=」と「≡」の違いは次の例でわかりやすい。
x + 1 = 0 (方程式) x + 1 ≡ 1 + x (恒等式)
また、定義を通常の等式と区別したいときも「≡」が使われる。ただし「=」を使っても間違いではない。
A ≡ B (A を B と定義する)
等号否定
「≠」は等号の否定を表し等号否定と呼ばれる。この符号は ≠ の左右が等価でないことを示す。
A ≠ B (A と B は等しくない)
これと「A = B でない」は全く同じ意味である。
ほぼ等しい
「∼」「≃」「≈」「≒」などは「ほぼ等しい」「おおよそ等しい」「近似的に等しい」「約(およそ)」などを表し、近似式や近似値などに使われる。
それぞれの記号は用途によって使い分けられるが、記号ごとの意味の対応は明確ではなく、厳密な定義は著者に委ねられている。
A ≒ B (A は B にほぼ等しい)
日本などの東アジアの一部地域では「2 項がほぼ等しい」という意味で「≒」が用いられるが、その他の地域や数学などの専門的な文献においては「≃」を用いることが多い。また、数学的な意味以外でも、日本語の文章では「ほとんど同じ」という意図で使用されることもある。
定義
ある記号 A が意味するものを、ある記号 B が意味するものと同じであると定義するには「≔」を用いて
A ≔ B(A を B によって定義する)
と書く。
この他にも、「=」の上に小さく "def"[注 1] や "△"[注 2] などを書いた記号が用いられることもある。
A B A B
「≕」については、「A ≔ B」と同じ意味で
B ≕ A
と書くこともある。
つまりは「コロン“:”のある側の内容を、無い側の内容(こちらはその文脈において既に定義されているものに限る)で定義する」という使い方をする。
例えば、 に対する区間 [a, b) や、和 を定義するときに
または
と書いたりする。
シグマ記号 ∑
の下の i = 1 での等号は、単に等しいことを意味している。
注釈
出典
- ^ イアン・スチュアート『数学の魔法の宝箱』ソフトバンク クリエイティブ、2010年、19頁。ISBN 978-4-7973-5982-4。
- ^ 矢野健太郎『数学質問箱なぜだろう?そこが知りたい!』講談社、1979年12月20日、40頁。
- ^ 黒木哲徳『なっとくする数学記号』講談社〈ブルーバックス〉、2021年、103頁。ISBN 9784065225509。
- ^ 『世界を変えた17の方程式』イアン・スチュアート著
- ^ a b 計算記号の歴史 日本文教出版、2019年6月28日閲覧。
- ^ 英語による数学表現
- ^ a b c d e f g h i j k l m n “2200 Mathematical Operators 22FF” (PDF). Unicode.org. 2017年6月26日閲覧。
- >> 「等号」を含む用語の索引
- 等号のページへのリンク