第29回スーパーボウル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 09:43 UTC 版)
試合経過
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NFL.comによるハイライト動画(英語、3分10秒) |
チャージャーズは最初のキックオフでLBのダグ・ミラーがフェイスマスクの反則を取られ、フォーティナイナーズに自陣41ヤード地点からの攻撃権を与えた。3プレー目に、スティーブ・ヤングからジェリー・ライスへの44ヤードのTDパスが決まり、試合開始から1分24秒でナイナーズが先制した[3](オープニングドライブでタッチダウンをあげたのは、第8回スーパーボウルのマイアミ・ドルフィンズに次いで2チーム目であった。)。またこのタッチダウンは、スーパーボウル史上試合開始から最速でのタッチダウンとなった[2](後に第41回スーパーボウルでデビン・ヘスターがキックオフリターンTDをあげて、この記録を更新した。)。チャージャーズの最初の攻撃はパントに終わり、ナイナーズはヤングのスクランブルによる21ヤードのラン[2]、リッキー・ワターズへの51ヤードのTDパスなど、4プレーで79ヤードを前進し、第1Q残り10分05秒に、14-0とリードを広げた[3][1]。チャージャーズは7分以上をかけて13プレーで78ヤードを前進、ネイトロン・ミーンズの1ヤードのTDランで14-7と点差を縮めた[3]。しかし、ナイナーズは次のドライブでジェリー・ライスのリバースプレーでの19ヤードのゲイン[1]、ジョン・テイラーへの12ヤードのパス、ヤングのスクランブルによる15ヤードの獲得など、10プレーで70ヤードを前進、フルバックのウィリアム・フロイドへの5ヤードのTDパスで21-7とリードを広げた[3]。
第2Q終盤、チャージャーズ陣9ヤード地点からのチャージャーズのパンター、ブライアン・ワグナーのパントは、40ヤードとなり、ナイナーズは敵陣49ヤード地点からの攻撃権を得た。9プレー目にヤングからワターズへの8ヤードのTDパスが決まり、前半残り4分44秒で28-7となった[3]。チャージャーズは自陣25ヤード地点から、スタン・ハンフリーズからエリック・ビエネミーへのスクリーンパスでの33ヤード獲得などで62ヤードを前進し、敵陣13ヤード地点まで攻め込んだ。そこからパスが3回連続で不成功となったが、1回はマーク・セーイのエンドゾーン内での落球によるものであった。ジョン・カーニーが31ヤードのFGを成功させて、28-10となった。その後、ナイナーズは、ヤングからタイトエンドのブレント・ジョーンズへの33ヤードのパスなどで敵陣29ヤード地点まで前進したが、ダグ・ブライエンの47ヤードのFGは失敗に終わった[1]。チャージャーズは自陣46ヤード地点まで前進したが、前半残り10秒の第3ダウンにハンフリーズがエンドゾーンに投げたパスをエリック・デービスがインターセプトし、28-10で前半を終了した[1]。
後半最初のチャージャーズの攻撃は、ファーストダウンを1回も更新できずパントに終わり[1]、デクスター・カーターが11ヤードをリターンし、ナイナーズは自陣38ヤード地点から攻撃権を獲得した。ナイナーズは、ワターズの9ヤードのTDランで35-10とリードを広げ、その後のドライブで、ヤングの3本連続のパス成功で53ヤードを獲得するなど、7プレーで62ヤードを前進、第3ダウン14ヤードで、ダリエン・ゴードンのパスインターフェアランスによる22ヤードのペナルティにも助けられ、最後はライスへの15ヤードのTDパスが決まり42-10と追加点をあげた[1]。第3Qのチャージャーズの唯一のハイライトは、アンドレ・コールマンの98ヤードキックオフリターンTDとマーク・セーイへの2ポイントコンバージョンの成功(スーパーボウル史上初[1])のみであった。コールマンのキックオフリターンTDは、スーパーボウル史上3人目の記録であった[3]。
続くナイナーズの攻撃はパントに終わったが、チャージャーズは、自陣37ヤードでの第4ダウン1ヤードで、ミーンズにボールを持たせたが、4ヤードのロスに終わり、ギャンブルは失敗した[1]。6プレー後、第4Q残り時間13分49秒にヤングはこの日6本目のTDパスをライスに通した。チャージャーズは13プレーで59ヤードを前進し、敵陣7ヤード地点までボールを進めたが控えQBゲイル・ギルバートがエンドゾーンを狙って投げたパスは、ディオン・サンダースにインターセプトされた。チャージャーズはハンフリーズからトニー・マーティンへの30ヤードのTDパスと2ポイントコンバージョンを成功させ、49-26としたが、その後オンサイドキックは、ナイナーズがリカバーし、時間を費やしたドライブを行った。チャージャーズは最後の攻撃で自陣7ヤード地点から敵陣35ヤードまで前進したが、そこで試合は終了した。
ナイナーズのオフェンスは28回のファーストダウンを更新、455ヤードを獲得した。ヤングは、パス36回中24回成功、325ヤード、6TDパスをあげて、第24回スーパーボウルでジョー・モンタナが作ったスーパーボウル記録の5TDパスのスーパーボウル記録を更新した。またランでも49ヤードを稼いだ。ライスは10回のレシーブで149ヤードを獲得、自身の記録に並ぶ3TDレシーブをあげた。ワターズはランで47ヤード、1TD、レシーブでも3回のキャッチで61ヤード、2TDをあげた[3]。
レギュラーシーズンに1,350ヤードを走ったミーンズは、13回のランでわずか33ヤードに抑えられた[3]。またハンフリーズはパス49回中24回成功、275ヤード、1TD、2インターセプトであった。セーイが7回のレシーブで75ヤードを獲得[3]、ロニー・ハーモンが8回のレシーブで68ヤードを獲得した[3]。ディフェンシブエンドのレイリー・ジョンソンは2サックをあげた。コールマンは、8回のキックオフリターンで244ヤード、1TDをあげ、キックオフリターン回数、リターンヤードでのスーパーボウル記録を作った。
2人の選手が3TDをあげたのは、スーパーボウル史上初めてであり、ワターズはロジャー・クレイグに次いで2TDパスをキャッチした2人目のRBとなった。
第27回スーパーボウル、第28回スーパーボウルにダラス・カウボーイズの一員として優勝していたケン・ノートン・ジュニアは3年連続でスーパーボウル優勝を果たした初の選手となった。アトランタ・ブレーブスの一員として1992年のワールドシリーズに優勝していたディオン・サンダースは。スーパーボウルとワールドシリーズの両方で優勝した初めての選手となった。
チャージャーズの控えQBのゲイル・ギルバートは前年まで第3QBとしてビルズに所属し、ビルズのスーパーボウル4連敗を経験しているため、この試合でスーパーボウル5連敗を喫した。
両チームが合計であげた75点は、第27回スーパーボウルの69点を上回るスーパーボウル記録となった[3]。
ナイナーズの完璧なパフォーマンスにはオフェンスコーディネーターのマイク・シャナハン、ディフェンスコーディネーターのレイ・ローズの存在も欠かせなかった。彼らは1995年、デンバー・ブロンコス、フィラデルフィア・イーグルスのヘッドコーチに就任した。
スターティングラインアップ
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r Aaron Malone (2013年2月2日). “Super Bowl history, Super Bowl XXIX: Steve Young gets the monkey off his back”. ninersnation.com. 2013年12月4日閲覧。
- ^ a b c Rick Telander (1995年2月6日). “Sports Illustrated's Super Bowl Archive”. スポーツ・イラストレイテッド. 2013年12月4日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m “Super Bowl XXIX San Francisco 49, San Diego 26”. nfl.com (1995年1月30日). 2013年12月4日閲覧。
- ^ Chris Littmann (2012年5月2日). “Junior Seau becomes eighth player from Super Bowl XXIX Chargers team to die”. AOL. 2012年5月3日閲覧。
- ^ Pete O'Brien (2012年5月2日). “Junior Seau eighth player to die from 1994 Chargers team”. USAトゥデイ. 2012年5月3日閲覧。
- ^ “Lightning kills Cal assistant”. サンフランシスコ・クロニクル (1998年7月23日). 2012年5月3日閲覧。
- ^ “チャージャース元LBブッシュが死去 94年SB出場メンバー”. NFL JAPAN (2011年12月9日). 2012年2月12日閲覧。
- ^ “チャージャース唯一のSBメンバー、セアウ氏で8人目の死去”. NFL JAPAN (2012年5月3日). 2012年5月3日閲覧。
- ^ “増田隆生氏に聞く! 日本テレビ スーパーボウル中継史”. NFL JAPAN (2011年1月). 2015年2月14日閲覧。
- ^ Jerry Greene (1990年11月21日). “Miami Pound Machine Has More Proving To Do”. オーランド・センティネル. 2015年2月14日閲覧。
- ^ John Clayton, "Ranking all 49 Super Bowls," ESPN.com, January 29, 2016. 2016年2月7日閲覧。
- ^ Steve Serby, "Ranking all 49 Super Bowls from worst to first," New York Post, February 5, 2016. 2016年2月21日閲覧。
- ^ Greg Rajan, "What are the best, worst Super Bowls?," Houston Chronicle, February 4, 2016. 2016年2月21日閲覧。
- ^ Neil Best, "From I to XLIX, ranking the best Super Bowls," Newsday, February 3, 2016. 2016年2月21日閲覧。
- ^ Don Banks, "Every Super Bowl, ranked," SI.com, December 21, 2015. 2016年2月21日閲覧。
- ^ Jeremy Gottlieb, "Ranking the watchability of all 49 Super Bowl games ever played," The Washington Post, February 5, 2016. 2016年2月21日閲覧。
- ^ Gary Myers, "From wide right and David Tyree to all those blowouts, ranking every Super Bowl game ever played from I to XLIX," NY Daily News, February 5, 2016. 2016年2月21日閲覧。
- ^ Nate Davis, USA TODAY Sports, "Ranking all 49 Super Bowls: Which was best of all time?," USA TODAY, January 27, 2016. 2016年2月21日閲覧。
- ^ Eddie Brown, "What's the best Super Bowl of all time?," SanDiegoUnionTribune.com, January 31, 2016. 2016年2月21日閲覧。
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