確率微分方程式 解の存在と一意性

確率微分方程式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/21 02:34 UTC 版)

解の存在と一意性

決定論的な常微分方程式や偏微分方程式と同様、与えられた確率微分方程式の解が存在するか、存在するとして一意か否かを知ることは、重要である。下記は、n次元ユークリッド空間Rnに値を取り、m次元ブラウン運動Bを無作為項とする伊藤確率微分方程式の解の存在および一意性に関する一般的定理である。参考文献に記したエクセンダールの本の §5.2には、証明が記載されている。

T > 0とする。


は可測関数で、適当な定数CDが存在し、任意のt ∈ [0, T]、任意のx, yRnに対し、次の2条件を満たすとする。


ここで、

である。 確率変数Zは、{Bs}s≧0により生成されるσ加法族と独立であり、かつ、

を満たすとする。このとき、確率微分方程式、


は、以下の2つの性質を有するtに関して連続な解 を、Pに関して殆ど確実に一意に有する。

  • X は、ZBsst) により生成される増大情報系[注 1]に適合する[注 2]

  1. ^ 可測空間 (Ω, F) において、t ∈[0, ∞) を助変数とする部分集合族 {Ft} が増大情報系(ぞうだいじょうほうけい、英:filtration)であるとは、FtF の部分 σ 加法族であって、かつ 0≦stFsFt を満たすことをいう。
  2. ^ 増大情報系 {Ft} が与えられた確率空間 (Ω, F, P) 上の確率過程 {Xt(ω)} が {Ft} に適合する(英:adapted)とは、任意の t に対して XtFt 可測になることをいう。


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