物質微分 対流項

物質微分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/27 03:49 UTC 版)

対流項

移流項における は スカラー量の勾配であるが、対流項における はベクトル量の共変微分である。ベクトル量の対流項 と記述することがあるが、この表示はデカルト座標系でしか等価でないことに注意すべきである[5](スカラー量の対流項 については と等価である)。

共変微分を使わずに一般の座標系で成り立つ表現としては[5]

がある。特に加速度の回転形表示

は重要である。

エディントンのイプシロンを用いた導出

エディントンのイプシロンの性質

を使えば、

より、

が得られる。

曲線直交座標系

曲線直交座標系 における対流項 成分は以下のように与えられる[6]

ただし、

計量テンソル)である。

先で述べたように

とはデカルト座標系 においてのみ等しい。

とした時の物質微分(=加速度)の対流項に現れる第2項

は曲線直交座標系で現れる見かけの力に対応する。

実際、 に対して を計算すると、

が得られる。ただし、 であり、 を使う。


  1. ^ 吉澤徴『流体力学』東京大学出版、2001年9月6日初版発行、ISBN 4130626035
  2. ^ 田村武『連続体力学入門』朝倉書店、2000年2月20日初版1刷発行、ISBN 4254201028
  3. ^ 日野幹雄『流体力学』朝倉書店、1992年12月10日初版1刷発行、ISBN 4254200668
  4. ^ 中村育雄『流体解析ハンドブック』共立出版、1998年3月20日初版1刷発行、ISBN 4320081188
  5. ^ a b c 巽友正 『新物理学シリーズ21 流体力学』 培風館、1982年 4月15日初版発行、ISBN 4-563-02421-X
  6. ^ Eric W. Weisstein "Convective Operator" MathWorld http://mathworld.wolfram.com/ConvectiveOperator.html





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