測地学 ジオイドと重力

測地学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/20 01:37 UTC 版)

ジオイドと重力

上記の楕円体は準拠楕円体(地球楕円体)と呼ばれ、ジオイド面にもっとも近似された楕円体である。ジオイド面の準拠楕円体からのずれは、水準測量及び三角測量によって求めることができる。近年は、衛星測量によってその精度は高くなっている。

ジオイド面は等ポテンシャル面であることから、精密な重力測定によってもジオイド面の高さを求めることができる。重力の地域的な異常については、人工衛星の軌道の解析から求めることができる。

測地学の歴史

測地学の起源は、紀元前3世紀にエジプトエラトステネスが地球の大きさを求めたことに始まるといわれる。当時、夏至の日の正午にシエネの町(現在のアスワン)の深井戸の底を太陽の光が照らすことが知られていた[注釈 1]。同じ夏至の日の正午、エラトステネスはアレキサンドリアにあった日時計の中央に垂直に立てられた棒の長さと、その影の長さとの比をとることで、太陽は天頂から南に 7.2° のところへくるということがわかった[注釈 2]。アレキサンドリア-シエネ間は 5,000 スタディア(約920km)と知られており、さらに地球の大きさに比較して太陽までの距離は非常に遠いことから、地球に降り注ぐ太陽光線は平行な光線と考えることができることから、エラトステネスは地球の円周の長さを

5,000 × 360 ÷ 7.2 = 250,000 スタディア(約 46,000 km)

と求めることに成功した。エラトステネスの計算した地球の円周の長さは現在の最も精確な値に比べてわずか15%大きいだけであり、当時の技術水準からみても驚くほどの水準であったと言われる[3]。今日、この業績をたたえて、彼は『測地学の父』と呼ばれる。

脚注


注釈

  1. ^ つまり、シエネは北回帰線上にある。
  2. ^ 都合の良いことに、アレキサンドリアとシエネはほぼ同一経度上にあった。

出典

  1. ^ 萩原(1982) p.1
  2. ^ 国家画像地図局(現 アメリカ国家地球空間情報局)技術報告8350.2, 7.3節
  3. ^ 萩原(1982) pp.2-3


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