映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝 映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝の概要

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映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/12 14:56 UTC 版)

映画ドラえもん
のび太と緑の巨人伝
監督 渡辺歩
脚本 大野木寛
原作 藤子・F・不二雄
出演者 水田わさび
大原めぐみ
かかずゆみ
木村昴
関智一
吉越拓矢
堀北真希
大塚周夫
三宅裕司
松元環季
有田哲平
音楽 沢田完
主題歌 絢香手をつなごう
制作会社 シンエイ動画
製作会社 映画ドラえもん制作委員会
配給 東宝
公開 2008年3月8日
上映時間 112分
製作国 日本
言語 日本語
興行収入 33.7億円
前作 映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険〜7人の魔法使い〜
次作 映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史
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キャッチコピーは「僕らの希望が未来を動かす。

第32回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞した[1]

概要

原案はてんとう虫コミックス『ドラえもん』33巻収録の短編「さらばキー坊」。地球の植物を自分の星に移住させ、地球人を根絶やしにしようとたくらむ植物型宇宙人の計画を阻止しようとするドラえもん、のび太らの活躍を描く。前作まで大長編のリメイク作品が製作されていた第2期シリーズにとっては、初のオリジナル作品である。

予告編と実際に上映された本編の映像とでは異なる部分があり、予告編に登場した空飛ぶ乗り物「スカイリーフ」は映画では登場しない[注 1]

また、本作を元としたゲーム『ドラえもん のび太と緑の巨人伝DS』も発売された。こちらは前作のようなカードゲームではなく、横スクロールアクションゲームである。

映画のエンドロールが終わった後には前作と同じくおまけ映像があり、その中で2009年にも映画が公開されることがドラえもんによって発表されている。一瞬だけドラえもんと共に『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』に登場したチャミーが現れ、宇宙空間を漂う映像になる(映画公開から約4ヶ月後、『ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』の情報が正式に発表された)。

2009年2月6日にテレビ朝日開局50周年記念番組の50時間テレビの一番組として初めてテレビ放送されたが、放送時間の都合上一部の場面がカットされた(ドラミがひみつ道具を取りに来る場面など)。

あらすじ

ある日のび太は、裏山にあるゴミの不法投棄された場所で小さな苗木を見つけ、家に持ち帰る。しかしママには「庭に植えてはいけない」と言われてしまう。困ったのび太がドラえもんに相談すると、ドラえもんはひみつ道具の植物自動化液を取り出す。これを植物にかけると、どんな植物も自由に動けるようになるという。さっそく液をかけた次の日の朝、自由に動けるようになった苗木に「キー坊」とのび太は名前をつけ、弟のように可愛がる。ママたちともうち解け合い、キー坊はやがて野比家の家族となっていく。

しかし、裏山で発見された謎の物体を追っていくうちに植物型宇宙人たちが住む惑星・緑の星に迷い込んでしまったドラえもん達は、地球の植物を全て緑の星に移住させるために地球の人類を根絶やしにするという恐ろしい企み「地球人絶滅計画」を知る。緑の星の女王であるリーレと出会い、彼女の手を借りて地球へ戻ろうとする一同だが、大臣のシラーは絶滅計画の切り札である緑の巨人を復活させる為の生贄としてキー坊を誘拐した。計画に反対する長老ジィの助けで何とか地球へ戻ったドラえもん達だったが、地球全土は既に「緑兵」の侵攻を受けて緑に覆われてしまっていた。

人類は滅ぼされたかに思われたが、緑の星へ飛ばされた際にドラえもんのポケットからこぼれ落ちたタンマウォッチの効果で、地球全土の時間が停止している事が発覚。まだ計画を止めるチャンスがあると気づいた一同は、緑の巨人復活を阻止するべくキー坊の救出に向かう。のび太の呼びかけにより生贄にされる寸前で脱出したキー坊だったが、彼の目の前には、かつて一緒に遊んだ女の子の持ち物であるジョーロが落ちていた。女の子が死んだと誤解したキー坊の悲しみと怒りは緑の巨人を覚醒させてしまい、ドラえもんたちはおろかシラーたち緑の星の住人も緑に呑まれていく。かろうじて意識を取り戻したのび太にリーレは怒りをぶつけるが、のび太はただひたすらキー坊を救い出そうと尽力する。その姿に心打たれたリーレも協力し、キー坊は緑の巨人から解放。その影響で緑の中に囚われていたドラえもん達やシラーも解放される。

暴走した緑の巨人は緑の星にも壊滅的な被害を与えており、土砂に覆い隠されていた戦争の痕跡が露呈する。シラーは緑の星もかつて人類と同じ過ちを犯していたことを知って計画を後悔し、のび太とキー坊の関係に希望を見た長老ジィは最期の力で滅びかけた両星を救う。のび太と和解したリーレは人類に時間を与える事を議会に訴え、遂に人類絶滅計画は撤回された。同時にのび太達はキー坊の言葉を理解できるようになる。のび太達は無事に地球に帰宅した。長老ジィの後を継ぐことを決意したキー坊は緑の星に留まる事を決意し、のび太達に別れを告げて去っていく。その夜、帰宅したドラえもんとのび太の様子に全てを察したパパとママは、あえてキー坊の行方を問いただすことなく二人を暖かく迎えたのだった。


注釈

  1. ^ 漫画版では飛行移動にスカイリーフを使用している一方、タケコプターが全く登場しないため、歴代の漫画版大長編の中でも珍しい作品となった。
  2. ^ インタビュー記事内では「緑アンテナ」とも呼称されている。前述した、便利な道具で森や土の気持ちを理解するとキー坊の存在する意味が無くなってしまうという主張をした渡辺が創作したもので、「何かのきっかけになるくらいのもの」。渡辺によるアイデアスケッチ(初期設定画集)では「風や空気を感じられる、緑の星と地球を結ぶアイテム」として紹介されている。

出典

  1. ^ 日本アカデミー賞公式サイト
  2. ^ 『のび太と緑の巨人伝 公式ファンブック 映画ドラえ本』小学館、2008年。P.58。
  3. ^ 『のび太と緑の巨人伝 公式ファンブック 映画ドラえ本』小学館、2008年。P.63。かつては湖を囲むほどの巨木があったという。
  4. ^ 藤子・F・不二雄ドリームシアター もっと!ドラえもん 5号』小学館、2006年、P.15。
  5. ^ a b c d e f g h 小黒祐一郎アニメスタイル 002 2012.10』、スタイル、P.102-105。
  6. ^ 2008年12月31日「大みそかドラえもん さらばネズミ年 来年は モ~30周年だよ スペシャル」内にて放送。
  7. ^ a b c d e 『のび太と緑の巨人伝 公式ファンブック 映画ドラえ本』小学館、2008年。P.60-61。
  8. ^ 岡田康則『映画ストーリー ドラえもん のび太と緑の巨人伝』小学館、2008年、P34-39。
  9. ^ 岡田康則『映画ストーリー ドラえもん のび太と緑の巨人伝』小学館、2008年、P165-166。
  10. ^ 『のび太と緑の巨人伝 公式ファンブック 映画ドラえ本』小学館、2008年。P.62。
  11. ^ 岡田康則『映画ストーリー ドラえもん のび太と緑の巨人伝』小学館、2008年、P35・169-170。
  12. ^ ドラえもん「緑の巨人伝」 渡辺監督が語る”. 朝日新聞 (2008年3月29日). 2020年5月23日閲覧。
  13. ^ 『海獣の子供 公式ビジュアルストーリーBOOK』小学館、2008年。P.46。
  14. ^ 小黒祐一郎『アニメスタイル 015 2019.12』スタイル、P.70。
  15. ^ 小説 映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝”. 小学館. 2024年3月9日閲覧。
  16. ^ 『ドラえもんlife 2024新年号』小学館、2023年12月20日発売、P.109。
  17. ^ 小説 映画ドラえもん のび太の宝島』(2018年)、『小説 映画ドラえもん のび太の新恐竜』(2020年)、『小説 映画ドラえもん のび太の人魚大海戦』(2022年)。


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